内容説明
一人の男が名古屋の墓地で殺された。やがて浮かび上がってきた容疑者は3人…が、事件当日、東京や静岡にいたという容疑者たち。鉄壁のアリバイは崩せるのか?鬼貫警部・丹那刑事のコンビが登場の「アリバイ」、山奥のヒュッテで起こった殺人事件「白樺荘事件」、資産家の細菌学者を襲った奇妙な殺人事件「悪魔の灰」…など未刊行作全7編!巻末には作品解説のほか、昭和30年代当時「私だけが知っている」のシナリオ作家として鮎川哲也とともに活躍した、夏樹静子のインタビューを特別収録。
著者等紹介
鮎川哲也[アユカワテツヤ]
1919年、東京生まれ。本名・中川透。50年、鬼貫警部の活躍する長篇「ペトロフ事件」で「宝石」百万円懸賞に入選。56年、講談社の書下ろし長篇公募に入選した「黒いトランク」以降、鮎川哲也名義でアリバイ物を中心に本格推理を多数発表。60年、「憎悪の化石」「黒い白鳥」で日本探偵作家クラブ賞を受賞。以後傑作多数。90年より鮎川哲也賞(東京創元社主催)を設け、本格ミステリを志す新人の発掘にも力を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
15
なんとなく再読。誤植がひどかったのを読み始めてすぐに思い出した(これは伏線か?と思うほどひどくて変に戸惑うからまじで要改訂案件)。この人が犯人では!?からちょっとひねってなるほどと思うお話も多いが、そんなヒントあった?というのもあり。時代背景とか都合悪そうなところを考証し直してNHKでもう一度やってくれないかなあ。そういえば島田御大原作とかで謎解きドラマもあったけどああいうのまたやらないかなー2022/02/01
kobibun
4
謎解きだけを純粋に楽しむには最高。2013/06/23
yasu_z2
3
ミステリの読み物としてはちょっとだが、昭和30年代にこんな凝った番組を放送していたのが驚異!しかも生ドラマ番組!録画が残っていないのがとても惜しい!2012/05/24
私的読書メモ3328
2
視聴者に挑戦するタイプの謎解きミステリテレビドラマのシナリオ集。やはり脚本なのと、時代の違いがかなりきつかったので、解答編だけ拾い読みしました。やっぱり、ミステリって儚い砂上楼だなあ、という感想です。同意の上での思考ゲームですが、その同意を間違えないのが難しいですね。論理的ではありますが、断定し過ぎと言えば言えてしまいます。2023/01/08
保山ひャン
2
昭和30年代のテレビ番組「私だけが知っている」から鮎川哲也のシナリオ作品を収録。解答陣の推理と解決篇をあわせて30分から1時間の番組だが、推理の面白さが味わえる。犯行の偽装や手掛かり隠しのためにとった犯人の行動が逆に犯人をあぶり出す作品が多いかな。夏樹静子のインタビューも。2017/05/23