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ふしぎ文学館
べろべろの、母ちゃんは…

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784882932871
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

母が作ったばかりの桶一杯のこんにゃく。そのべろべろの感触に、少年の恵市は限り無い官能を覚える。時は経ち、自分のもとに来た嫁の情事を知った恵市。長年求めた快感の欲求を果たそうとする恵市のとった、猟奇的行動とは(表題作「べろべろの、母ちゃんは…」より)。異国情緒や土俗の世界を背景としたSM・同性愛・フェティシズム。独特のエロスを極限まで押し進めた、凄まじい迫力の10作品。芥川賞作家・宇能鴻一郎の恐るべき全貌が明らかになる。

著者等紹介

宇能鴻一郎[ウノコウイチロウ]
1934年、北海道札幌市生まれ。小説家、官能作家、推理作家。福岡県立修猷館高等学校、東京大学文学部卒業。1961年、『鯨神』で第四十六回芥川賞受賞。ヒロインの一人称によるモノローグの形式を取った独特の語調を持つ官能小説で一時代を築く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

39
#日本怪奇幻想読者クラブ 官能小説の分野で余りにも有名な宇能鴻一郎氏がその方面へ移行する以前に物した怪奇小説群。どの作品にも色濃く性と人間、マゾヒズム、マザー・コンプレックスなどのテーマが描かれている。一方、その文章は高い教養と人間観察など、芸術性は隠しようもない。今まで氏の官能小説は目にした事があったけれども、あちらは何かあっけらかんとした明るさに彩られていて、こうした暗い世界が氏の体内に醸されていたのだとは知らなかった。他のアンソロジーに収録されているものも読んでみたい。2021/07/23

たまきら

25
なあに、この表紙。多くの人は手に取るのをためらうんじゃないのかな?自分は全く平気ですけど。彼の文章から立ち上ってくる土着的な日本独自のもの、というよりも人間の根幹的なものに揺さぶられます。その多くは禁忌とされているものだからこそ後ろめたく、彼の文章を先ず読むであろう有識者への威嚇射撃のようにも感じました。表題、柘榴、菜人記、狩猟小屋夜ばなしは凄いものを感じました。2022/04/07

おすし

21
これは早くも年ベス候補かも、痺れるお小説!短編10作品。 特に『菜人記』と表題作の、凄惨な生と性のエネルギーが凄まじく圧倒される。かと思えば失笑を禁じ得ない『わが初恋の阿部お定』とか高低差ありすぎて草2025/01/15

ジョニーウォーカー

16
読友推薦本。大槻ケンヂの性の目覚めは「水に濡れたウルトラマン」だったという。男という生き物は他人から見たらなんで?と思われるような奇妙な性癖を抱えていたりするものだ。そのトラウマとも呼べるシコリは、ときに男の人生さえも左右している節があり、「ポルノに転向してからの方が素直に人間が描ける」という著者の言葉もある意味、納得なのである。これまで彼のポルノ小説を読んだことがないため、「こんなのも書けるんだ」ではなく「こんな凄い作家がいたんだ」というのが率直な印象。第46回芥川賞受賞という経歴を見ればそれも当然か。2009/07/08

三柴ゆよし

15
宇能鴻一郎という作家の異形の文名だけは聞き知っていたが、ここまでとは思わなかった。テンションMAX時の池田得太郎や沼昭三を髣髴させる、不健全極まりない作品の数々に魅了された。アホだなこいつ、で済ませてもいいのだが、収録作すべてを通して読むと、全男性の根源的な恐怖心と母胎回帰願望に訴えかける、存外に深い作品群であったことがわかる。性倒錯の多様な形態をおもしろおかしく書いているだけにみえて、そこに用いられている文体は驚くほどに破格であり、物語の構成も巧み。この奇妙なタイトルに魅かれた方は是非とも読むべし。2012/04/18

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