黒の血統

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  • サイズ B6判/ページ数 330p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784882932833
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

明治からつづく名家・国井家に、長島という青年が書生として現れてから、運命の歯車が軋み始めた…。同家に永年仕えた老僕の回想が恐るべき結末に至る表題作「黒の血統」。他に、優しい父が兄妹に遺した遺書の驚くべき内容を綴る「不思議な遺書」、我が子を喪った哀しみから次々と臓物を吐き出していく男の奇妙な告白「空袋男」、魂の存在をめぐる不可思議な物語「霊魂のゆくえ」等、単行本未収録の5短篇を含む全24篇を収録。

著者等紹介

三橋一夫[ミツハシカズオ]
1908(明治41)年、神戸に生まれる。本名・敏夫。慶應義塾大学経済学部卒。在学中にヨーロッパ留学の経験がある。1940年ごろから「三田文学」「文芸世紀」などに創作を発表。終戦後の48年、林房雄の紹介で「新青年」に「腹話術師」が掲載されてデビュー。不思議小説と銘打った奇妙な作風で好評を博し、同誌の常連執筆者となる。49年6月号から同誌が休刊する50年7月号まで、横溝正史の命名による「まぼろし部落」のタイトルで不思議小説を毎号連載。52年には自伝的長篇『天国は盃の中に』が直木賞候補となる。不思議小説を断続的に発表する一方、50年代の半ばからは明朗小説を数多く手がけたが、66年に創作の筆を折り、以後は自論に基づいた健康法の著作に専念した。95(平成7)年12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

4
3巻目は肉体変容の話が目立ちました。頭頂部に生える耳、内臓を失う話、肉体の入れ替わり、空飛ぶ目玉の奇妙な短編群に混ざって、ゴーストストーリーもちらほら、そして何とも言えない滋味のある人情系の話を堪能しました。この中では、幸運の運び手「ミスター・ベレー」、没落した名家の門番の最期「ある晩年」のしみじみとした味わいが特に好きです。また、謎解きものでも、視点を変えることで事件の全容がガラッと変わる「天狗来訪」は2巻目の「湯河原奇遊」と同じ系列の作品ですが、どれも三橋流の温かさは共通です。2017/01/08

パット長月

1
何となく読み始めたシリーズだが、誠に変わった作風と雰囲気に惹かれてとうとう最後の3冊目。1冊目は作品の出来不出来の差がかなり大きい(ような気がする)ものの、著者でなくては味わえない、何ともいえない不思議な印象を残す作品がいくつかあった。2冊目は作品レベル的には?であるが、これは好みもあろう。おもしろさからいえば3冊目で、1冊目に色濃かった常に死に惹かれるような魅力はやや薄いものの、基本的によくできた不思議小説集だった(素人臭いしかけの探偵小説っぽい作りが著者の好みのようだ)。2013/09/21

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