内容説明
DNAの2重らせん構造のように、捜査や鑑定、裁判のミスが複雑に絡み合い17年半もの自由が奪われた冤罪事件。地元紙記者が執念で悲劇の真実に迫った長期連載ルポ待望の書籍化。「ただ一人のために支える会・西巻糸子さんの十七年」を新たに追録したほか、一審から再審無罪までの各判決要旨や取り調べ録音テープの詳細、警察庁と最高検の内部検証結果を巻末資料に網羅した裁判員裁判時代の必読書。日本版ピュリツァー賞の第16回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。
目次
第1章 発生
第2章 捜査
第3章 妄信
第4章 自白
第5章 弁護
第6章 鑑定
第7章 誤判
第8章 報道
第9章 再建
第10章 警告
終章 追跡
追録「ただ一人のために」―支える会・西巻糸子さんの十七年
資料編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だまし売りNo
33
犯人と決めつけで突っ走る日本の警察の思い込みが冤罪を作る。 2022/12/11
sasha
8
間違った捜査、間違った弁護、間違った司法の判断。それが無実の人から17年半の人生を奪った。再審無罪となった足利事件の冤罪はどのような過程を経て生まれたのか。栃木県の地元紙・下野新聞が自社の事件報道の反省点も含めて連載した記事に加筆修正して書籍化した作品。捜査当初の目撃証言が一切無視されていたのは本当に不可解。当時のDNA鑑定の精度って約800人にひとりなのに、科学捜査を盲信したのか。菅家さんは勿論、被害女児の遺族も救われない。真犯人を見つけられず、事件は公訴時効を迎えているのだから。巻末の資料も豊富。2018/01/04
コギー
1
思うところあって、図書館で借りて読む。2010年刊行。平成時代を代表する冤罪事件(の一つ)、足利事件及び、その犯人として逮捕され、強要された自白をした結果、17年間も刑務所に収監されるという不当な扱いを受けた顛末を、事件のあった地元の地方紙が丹念に取材し、連載された記事をまとめたもの。2020/07/04
コギー
0
再読。2020/07/06