内容説明
いまやシャンパンは“勝利”や“祝典”に欠かせないもののようになっているが、それを連想させるお祭り騒ぎがシャンパンの本当の価値を低める結果になっていないだろうか―。古典的でありながらも、いま急激な変貌を遂げているシャンパンと常に間近に接してきたマイケル・エドワーズが、この世界最高峰のスパークリング・ワインの聖地に、テロワールを中心に据えた斬新な視点から大胆に切り込む。
目次
序説(歴史・文化・市場:聖油から黄金の液体へ;蔔萄栽培:品質と持続可能性;ワインづくり:キュヴェの芸術と魂)
最上のつくり手と彼らのシャンパン(ランスとモンターニュ・ド・ランス;アイとヴァレ・ド・ラ・マルヌ;エペルネとコート・デ・ブラン;コート・デ・バル)
シャンパンを味わう(ヴィンテージ:2008~1988;ワインと料理:シャンパーニュ地方食べ歩き;上位10選×10一覧表:極上シャンパン100選)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちも
13
シャンパーニュの中心地であるランスへ行ったことがある。人口20万に過ぎないが、パリよりも歴史が古く、シャンパン産業に支えられた豪奢な街並みに圧倒されたのを覚えている。あの高いボトルは年間2億本もの数が売れる。シャンパンだけの事はあるという、質と価値を保つために市民や行政は並々ならない苦労と試行錯誤を重ねている。その物語の数々が分厚い辞典並みの内容ながらも読ませて楽しませてくれた。物語としては楽しいが、各生産者の葡萄品種比率や樽の使い方、生産量などの客観的なデータの記述があれば尚良かった。2019/07/25
柳 真佐域
12
ワインの表現の手だてにならいかと思って手に取った本。分かっている人向けの本だったので、もう少し初心者に分かりやすい内容だったら良かった。が、味の表現は発想を飛ばすことに十分役立ち、いい材料のなって無駄にはならなかった。シャンパン・ワインは縁がないと手が届きにくい代物だが、作者はたくさんのシャンパンとの縁に恵まれていたのがわかる。この本に記載しているシャンパンを一杯ずつ呑むのに果たして何年かかることやら。その土地に行かないとわからないことまで書いたって、非常に羨ましく思った。シャンパン・ワインに酔いしれたい2018/08/17