内容説明
2008年10月末、山形県鶴岡市大山地区にある上池と下池が国際的に大切な湿地と水鳥を守るラムサール条約に指定登録されました。上池・下池には、秋になると、毎年数多くの水鳥がわたってきていました。ところが、今から22年前(1988年)の冬、突然約400羽のコハクチョウがすがたをあらわしました。いままで越冬生活をするため、コハクチョウが飛来してくることはありませんでした。そして、このハクチョウたちの飛来を機に、マガモが、上池に2万羽、下池に4万羽、ほかの水鳥たちもあつまり、合計6万5千羽いじょうになりました。こうして、「水鳥たちの楽園」が誕生したのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いろ
12
山形県の池に集まる水鳥達を紹介した写真絵本。寒い冬の池に集う水鳥達のいる美しい風景写真の数々。過酷さも描き,命の尊さを感じる。20種類くらいいる水鳥を,1種類ずつ紹介する写真のページは図鑑を眺めるように楽しめ,9歳男児も「僕はキンクロハジロとかカイツブリが可愛いv」「この鳥は近くの川にも来るよね!」などとニッコリ眺めている。こういう絵本がきっかけになって,冬の渡り鳥を観に行く事を,寒い季節の楽しみの1つと感じるようになるといいな~。2018/02/23
遠い日
7
渡り鳥たちの厳しい越冬のようすを、写真で綴る。秋、飛来した頃には、「楽園」と化す上池、下池の鳥たちの姿は、賑々しくて圧巻。ものすごい数の、多くの種類の鳥たちが集う。寒さが加わるや、それは生き物の自然との闘いの様相を呈する。北へ帰るその日が来るまで、生き抜いた鳥たちの強さは、命そのもの。2013/12/17
紅花
5
厳しい寒さに耐えながら春を待つ鳥たちの息吹が、様々な写真と共に伝わってくる。鳥の数、鳥の様子、自然が醸し出す色、思わず息を呑む。でも、息子様「カイちゃんいるかもよ〜」ってバムとケロのカイちゃんを思い出した。2015/03/06
みい
4
うちのそばの川に、鴨が来ているので、お散歩がてら娘ちゃんと観察。こちらの絵本も興味深く見てました。こんな間近にいるけれど、君たちは遠く遠くから来ているのね。2016/01/31
まつり
3
図書館でなんとなく手に取ったら地元の上池下池でした!鳥見を始めたばかりの頃に一度連れてってもらったきりだけど、広大な池を通勤快速ばりにぎちぎちにうめた水鳥の姿は強く印象に残っています。後書きで、カモ類が大量に来るようになったのはここ数十年と知ってびっくり。それには自然・人為種々の要因があるのでしょうが…。自然をどうこうしてやろうとは思わないけど、鳥を見続けることで何か変化を感じられるなら、鳥見趣味も捨てたもんではないな。2015/05/08