内容説明
永年にわたって司法の前線で活躍した著者が、在職中から書きためた味わい深い文章の数々をまとめたもので、裁判にまつわる埋もれた資料に光をあて、裁判の独立と裁判官の身分保障を守ることの難しさを訴える好著。
目次
第1部 裁判官の罷免(裁判官の罷免―高野孟矩の抗争;裁判官の身分保障を命がけで守った人;ある陸軍法務官の苦悩と巣鴨生活;マリア・ルーズ号事件;ノルマントン号船長の裁判;ジュノー号事件始末記;ある銀塊物語;ミニオネット号の人肉事件;子供を泣かす父親)
第2部 清修野鶴の如し(小さな町の裁判官;清修野鶴の如し;土佐の中村;明朝五代;過橋麺物語;海津町にある治水神社;軍人の政治干与;利休;指導者の節操;法曹資格の特別を検討しては;賭博偶感;法律家と覇道;二つの裁判;訴訟の遅延;法律の世界;28年の空白;戸籍の記載について;中国の思い出;鶺鴒)