CMCテクニカルライブラリー<br> 透明導電膜

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CMCテクニカルライブラリー
透明導電膜

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  • サイズ A5判/ページ数 289p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784882318606
  • NDC分類 549.8
  • Cコード C3054

出版社内容情報

(1998年『透明導電膜の新展開』普及版)


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 ~透明導電膜への思い入れ~
 透明導電膜は実に不思議な材料である。電気を通す材料の代表は金属であるが,金属は光を通さないのが普通である。日常経験の常識では,透明と導電性は両立しないものなのである。透明で導電性の物質が存在するという事実は,理工系の人間にとってすら(あるいはむしろ理工系の人間の場合には)誰にでも認識されている訳ではない。そうではあっても透明導電膜はとくに最近十年あまりの間に我々の生活で極めて重要な役割を果たすようになってきて,一つのビジネス・マーケットを形成してきた。見えないから存在感が希薄であるし,薄膜だから絶対量はわずかである。目立たないもう一つの理由として,透明導電膜それ自体が主役として登場することが希で,液晶テレビの場合も太陽電池の場合も,不可欠ではあっても,あくまでも脇役だったという経緯がある。透明導電膜の今後を考えると,ベテラン脇役としての「アカデミー助演賞受賞」のみならず,「アカデミー賞主演賞受賞」が射程圏にあって,その可否はひとえに多彩な応用例の実現にかかっているのである。
 道具を使うのは人間の特徴であるが,とくに「セラミックスという道具」は極端に長い歴史を持っている。セラミックスの歴史を考える上で画期的な進歩は,何といっても近年において光や電気との関わりが顕在化してからで,透明導電膜は光と電気を結びつける典型的な材料であって,その関与する領域は果てしなく広い。一方,現代文明特有の道具として薄膜の重要性は枚挙にいとまないが,透明導電膜は実はセラミックス薄膜の歴史の比較的初期の頃(1960年代頃)から関与していたのである。ITO膜の研究開発の拠点に着目すると,多少独断と偏見に満ちたビックアップではあるが,初期にはフィリップス社(ドイツのアーヘン)が噴霧熱分解法で,それから大西洋を渡って米国東海岸でRCAのヴォッセンやMITのファンがスパッタで,更に西海岸に移動してUCLAのバンシャーがRFイオンプレーティングで,その後,太平洋を渡って現在の日本は液晶表示素子をトリガーとした応用開発と基礎研究。さあて21世紀はどうなるのであろうか。
 「技術西進論」に固執するならば,北九州や韓国は関西地区よりは西に位置するわけであるし,台湾や中国は更に西である。インドでは長期的視野で透明導電膜の研究を続けてきたが・・・。
 本書を企画するに際して,過去を整然と配列することよりも,未来への指針を示すことを目指した。しかしながら,小生の浅学非才ゆえ執筆を依頼する際に,一部の方には当方の主旨が不明確でご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに,変革の時代は混沌としたものだという勝手な言い訳をする次第である
。まだまだ追加すべき項目があって,ある意味でアンバランスな構成となってしまったが,時間とスペースの関係で多くを割愛した。著者に関しては幸いなことに有名無名双方の超一流の方々の御快諾をいただくことができた。御多忙にもかかわらずご執筆をいただいた著者の方々に深く感謝いたします。出版部の福嶋邦彦氏,吉倉広志氏には多大な御尽力をいただいた。     1999年の成人の日に 透明導電膜に固執する人が更に増えることを願って

澤田豊


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澤田豊 東京工芸大学 工学部 応用化学科 助教授;(現)東京工芸大学 工学部 ナノ化学科 教授
南内嗣 金沢工業大学 電子デバイスシステム研究所 教授;(現)金沢工業大学 光電相互交換デバイスシステム研究開発センター 教授
井上一吉 出光興産(株) 新規事業推進室;(現)出光興産(株) 中央研究所 主任部員
佐藤一夫 旭硝子(株) 中央研究所 主席研究員;(現)旭硝子(株) 中央研究所 主幹研究員
鈴木正和 (株)高純度化学研究所 技術開発部 係長
川副博司 東京工業大学 応用セラミックス研究所 教授;(現)東京工業大学名誉教授
折田政寛 HOYA(株) R&Dセンター 先端技術研究所 主任研究員;(現)HOYA(株) 事業開発部門
佐々木克孝 北見工業大学 工学部 機能材料工学科 教授
川村みどり 北見工業大学 工学部 機能材料工学科 助手;(現)北見工業大学 工学部 機能材料工学科 助教授
小松通郎 触媒化成工業(株) 取締役ファイン研究所長;(現)触媒化成工業(株) 副社長
角田志郎 住友金属鉱山(株) 機能材料部 担当部長;(現)住鉱潤滑剤(株) 三重工場 取締役工場長
足立健治 住友金属鉱山(株) 技術本部 中央研究所 主任研究員;(現)住友金属鉱山(株) 市川研究所 統括研究員
山下博也 (株)トクヤマ つくば研究所 基礎研究センター 主席研究員
瀬戸康博 三井金属鉱業(株) 薄膜材料事業部 研究開発部;(現)台湾特格股?有限公司 技術部 経理
清田淳也 日本真空技術(株) 千葉超材料研究所 第1研究部 第2研究室 主事補;(現)(株)アルバック 千葉超材料研究所 室長
金子正治 静岡大学 工学部 物質工学科 教授;(現)(株)SPD研究所 所長
西出利一 日本大学 工学部 工業化学科 助教授;(現)日本大学 工学部 物質化学工学科 教授
内田輝男 日本ポラロイド(株) マーケティング本部 新規事業グループ 主事;(現)コダック(株) ディスプレイマテリアルズ マネージャー
木村浩造 日本ポラロイド(株) マーケティング本部 新規事業グループ グループマネージャー;(現)日本ポラロイド(株) 国際調達部 部長
星陽一 東京工芸大学 工学部 電子工学科 助教授;(現)東京工芸大学 工学部 システム電子情報学科 教授
一ノ瀬昇 早稲田大学 理工学部 教授
本間寿 理学電機工業(株) 応用技術センター
河野久征 理学電機工業(株) 応用技術センター 部長
前角典男 コペル電子(株) 代表取締役社長
西村啓道 旭硝子(株) 中央研究所 統括主幹研究員;(現)岡本硝子(株) 常勤監査役
萩原正弘 三菱マテリアル(株) 先端事業本部 化成部
春山隆幸 辰口工業硝子(株) 技術開発室;(現)オプトンジャパン(株) 製造部 技術開発主幹
松本直 辰口工業硝子(株) 技術開発室
重里有三 (現)青山学院大学大学院 理工学専攻 教授
守田幸信 王子トービ(株) 取締役部長;(現)王子タック(株) 主任技師
小柳嗣雄 触媒化成工業(株) ファイン研究所
中村青生 モン・エンジニアリング(株) 代表取締役
植松省三 モン・エンジニアリング(株) 取締役
加藤治夫 ソニー(株) 厚木第2テクノロジーセンター DC FDパネル開発部門 Fプロジェクト 課長
;(現)ソニー(株) ディスプレイ技術研究所 シニアリサーチマネージャー
(執筆者の所属は,注記以外は1998年当時のものです。)


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<透明導電膜・材料編>

第1章 透明導電膜のインパクト
1. 世界が注目する見えない役者たち:身近に存在する応用例
2. 導電性発現の機構:Sn添加と酸素空孔による自由電子の生成
3. 可視光透過性と赤外線遮蔽:電磁波に対する電子の挙動
4. 製膜法:スパッタリング法
5. 今後のシナリオ:世界中の窓ガラスに透明導電膜を
6. 基礎研究

第2章 ZnO系透明導電膜
1. ZnO系透明導電膜の特徴
2. ZnO系透明導電膜の諸特性と成膜技術
  マグネトロンスパッタリング法/MOCVD法/その他の成膜法
3. ZnO系透明導電膜の物性

第3章 In2O3-ZnO系透明導電膜
1. IDIXO膜の特徴
2. IDIXOターゲットの特徴
3. IDIXO薄膜のエッチング特性
4. TFTーLCD用電極の特徴
5. 有機エレクトロルミネッセンス(EL)電極

第4章 Ga添加ZnO(GZO)膜
1. GZO膜の成膜方法
2. GZO膜の特性

第5章 銀添加ITO膜
1. 銀添加ITO膜の物性
  透明性/結晶性/導電性/微構造
2. 銀添加による導電性向上要因

第6章 p型酸化物透明導電膜
1. p型伝導性透明酸化物の化学設計
  具体的課題/価電子帯上端部の非局在化/カチオン種の選択/結晶構造の選択
2. CuAIO2デラフォサイト薄膜の透明p型伝導性
  薄膜の作製/光学的及び電気的性質
3. SrCu2O2薄膜の透明p型伝導性
  薄膜の作製/光学的及び電気的性質

第7章 In4Sn3O12透明導電膜
1. 成膜方法
2. 高周波スパッタ法によるIn2O3-SnO2系複合酸化物薄膜の作製
3. 直流スパッタ法によるIn4Sn3O12膜の作製

第8章 InGaZnO4透明導電体~材料設計~
1. ITOの電気抵抗率
  有効質量とバンド構造/キャリア密度 とドナーレベル/緩和時間と平均自由行程
2. 新規材料の設計,InGaZnO4の場合

第9章 TiN薄膜~透明導電膜への適用可能性~
1. 低抵抗TiN薄膜の作製とキャラクタリゼーション
2. 極めて薄い薄膜の作製と透明導電膜への応用

第10章 透明導電材料
1. 導電性粉末
2. 導電性微粉末の構造と製造
3. 導電機構について
  電路の形成について/電路の抵抗について/塗布膜のマクロ構造と抵抗について
4. 透明性について
5. 塗料の応用例
  ELP電極/その他
6. 塗布液への応用例
  CRTディスプレイ/液晶用ミドルコート

第11章 ITOインク
1. ITO微粒子
2. 樹脂バインダー系ITO分散インク
3. 無機バインダー系ITO分散インク
4. 有機熱分解ITOインク

第12章 長繊維状酸化錫

<製造・加工編>
第13章 スパッタリングターゲットの製造
1. ITOターゲットとはどんなものか?
2. ITO焼結体の製造技術
2.1 ITOの焼結特性
2.2 原料粉末
2.3 成形方法
2.4 焼成方法
 ホットプレス.HIP/大気中焼成/酸素富化雰囲気焼成/ITOの焼結メカニズムについて
3. ITOターゲット製造の難しさ
4. 今後の課題
 パーティクルフリー・ターゲット/ITO焼結の周辺技術/ITOの色について

第14章 スパッタ法
1. ITO膜の作製方法
2. スパッタ法によるITO膜の形成技術
2.1 導入酸素量
2.2 成膜温度
2.3 ターゲット
2.4 低電圧スパッタ法
2.5 低抵抗ITO/CF成膜技術
2.6 非晶質透明導電膜
    H2O添加による非晶質ITO膜/In-Zn-O系非晶質透明導電膜
3. 高使用効率カソード
  ターゲットの高使用効率化/成膜速度の向上(従来の約4倍)/ロングライフ化
  /異状放電対策/全面エロージョン/ターゲット経時変化の緩和

第15章 スプレー熱分解法による透明導電膜の作製
1. 二流体式スプレー熱分解法
  酸化スズ薄膜の形成/配向性酸化スズ薄膜の低抵抗化/光学的性質
2. 超音波スプレー熱分解法
  酸化スズ薄膜の形成/酸化スズ薄膜の物理的性質

第16章 塗布法による透明導電膜の作製
1. はじめに
  透明導電膜の種類/透明導電膜の作製法/塗布法と真空成膜法
2. 透明導電膜の作製
2.1 原材料
    アルコラト/金属錯体/金属塩/コロイド
2.2 塗布液の調整
2.3 塗布・焼成
3. 透明導電膜の構造
  焼成過程/ITOの構造/ATOの構造
4. 導電特性
   In2O3/ITO/SnO2,ATO(SnO2:Sb)
5. 透明導電膜の光学性能

第17章 透明電極基板フィルムのパターン化
 ~デジタルレーザーイメージング方式による~
1. 背景
2. プラスチック基板上の透明電極
3. 層構成
4. 光学特性
5. レーザーエッチング
6. 今後の展望

第18章プラスチック基板上への透明導電膜の作製
1. プラスチック基板の特徴
2. 低基板温度でのITO薄膜の作製
  対向ターゲット式スパッタ法によるITO薄膜の低温成膜/低電圧マグネトロンスパッタ法によるITO薄膜の作製

第19章 透明導電膜の標準化
1. 分光光度計による光透過率の測定
2. 4探針法による抵抗率測定
3. 触針式表面粗さ計による膜厚測定

第20章 透明導電膜の組成分析
1. 蛍光X線分析と薄膜FP法
  蛍光X線の発生/蛍光X線分析における薄膜/FP法による薄膜分析
2. 透明導電膜の分析
  試料モデルと分析スペクトルの選択/測定条件と測定結果

第21章 非接触抵抗測定
1. 測定原理
2. 性能
  抵抗率測定範囲/検出ヘッド/その他の機能/特色

<応用編>
第22章 窓ガラスコーティング
1. 透明導電膜材料
  金属薄膜/酸化物半導体透明導電膜/非酸化物系化合物薄膜
2. 透明導電膜成膜方法
  常圧CVD法/スパッター成膜法
3. 透明導電膜利用ガラス
3.1 導電膜付きガラス
3.2 光制御ガラス
    熱線反射ガラス/低放射(Low-E)ガラス

第23章 透明性赤外線カット塗料
1. 赤外線カット塗料とは
2. 赤外線カット機構
3. 従来の赤外線カット材料とその問題点
4. 透明性を得るための条件
5. ITO粉末の設計
6. 透明性赤外線カット塗料の設計
7. 赤外線カット効果
8. 窓ガラスへの適用

第24章 情報機器
1. 酸化スズ透明導電膜ガラスの製法
2. 酸化スズ透明導電膜ガラスの特性
3. 酸化スズ透明導電膜ガラスの応用
  複写機/その他帯電防止材料/電磁波遮蔽材料/透明発熱体/太陽電池基板/遠赤外線反射材料

第25章 ガスセンサー
1. 透明導電膜と薄膜ガスセンサーの作製
2. 材料組成とガス検出特性
3. ガス検出機構とセンサー素子の経時安定性

第26章 液晶および表示素子
1. 透明導電膜の応用例と要求されている特性
2. ITO薄膜の構造と電気特性の限界値
3. ITO薄膜のエッチングとパターニング
4. 表示素子用透明導電膜の今後の課題

第27章 透明電波吸収体
1. λ/4型電波吸収体
2. 電波吸収体の透明化
3. λ/4型透明電波吸収体とその特性
  V帯用透明電波吸収体/1.5GHz帯用透明電波吸収体/X帯広帯域タイプ(2ピーク型)/1.5GHz帯2ピーク吸収タイプ

第28章 抵抗膜方式タッチパネル~文字図形入力端末~
1. 抵抗膜式タッチパネルについて
1.1 各種抵抗膜式タッチパネルの概要
1.2 入力原理
    回路形成/位置検出
1.3 お手付き入力防止について
2. 基本的な設計仕様と耐久性について
2.1 基本仕様について
    可動電極/固定電極/有効入力エリア/トランスファー
2.2 特性
    電気的特性/機械的特性/光学的特性/寿命特性
3. 製造法と特徴
3.1 製造工程
4. 抵抗膜方式の課題 
(1)FF型入力パネル開発のための一方策
1)LCD側での対策
2) タッチパネル側での対策
(2)ITOフィルムの歩留まり
1) 高透明タッチパネル
2) 高信頼性タッチパネル

第29章 高温発熱ヒーター
ニクロム線が消えたヒーター!/ヒーター革命!/技術概要/特徴/性能/用途/応用

第30章 CRT電磁遮蔽反射防止
1. VDT規制および要求機能
2. 導電性反射防止膜の形成方法
2.1 ダイレクトコーティング方式
    乾式ダイレクトコーティング(PVD)方式/湿式スピンコート(ゾルーゲル法)方式
2.2 反射防止膜基材の貼付方式
    ARフィルム貼り付け方式/AR薄板ガラス貼り付け方式
3. 導電性反射防止コートの膜構成とその性能

目次

透明導電膜・材料編(透明導電膜のインパクト;ZnO系透明導電膜 ほか)
製造・加工編(スパッタリングターゲットの製造;スパッタ法 ほか)
標準化・分析・測定編(透明導電膜の標準化;透明導電膜の組成分析 ほか)
応用編(窓ガラスコーティング;透明性赤外線カット塗料 ほか)

著者等紹介

澤田豊[サワダユタカ]
東京工芸大学工学部応用化学科助教授。(現)東京工芸大学工学部ナノ化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。