出版社内容情報
（1985年『クローン植物大量生産の実際技術』普及版）
【執筆者一覧（執筆順）】
田中隆莊 広島大学 理学部
谷口研至 広島大学 理学部
（現）広島大学大学院 理学研究科
森 寛一 （財）日本きのこ研究所 研究所長
長尾照義 日本たばこ産業（株） 中央研究所
高山眞策 協和醗酵工業（株） 生物研究所
（現）東海大学 開発工学部
鎌田 博 筑波大学 生物科学系
阪本 均 坂田種苗（株） 君津育種場
田代洋丞 佐賀大学 農学部
宮崎貞巳 佐賀大学 農学部
藤野守弘 兵庫県農業総合センター 生物工学部
八鍬利郎 北海道大学 農学部
新関宏夫 石川県農業短期大学 農業資源研究所
島田多喜子 石川県農業短期大学 農業資源研究所
秋濱友也 明治大学 農学部
植松千代美 明治大学 農学部
（現）大阪市立大学大学院 理学研究科
齋藤 明 農林水産省 林業試験場 造林部
佐藤 亨 農林水産省 林業試験場 造林部
西岡五夫 九州大学 薬学部
大山勝夫 農業生物資源研究所 細胞育種部
（現）東京生命科学学園 非常勤講師
細木高志 島根大学 農学部
向山武彦 （株）向山蘭園 代表取締役社長
三位正洋 千葉大学 園芸大学
重松康司 東京都立アイソトープ総合研究所 研究室
新美芳二 新潟大学 農学部
小林 仁 農林水産省 農林水産技術会議事務局
西 貞夫 （社）日本施設園芸協会 会長
木口憲爾 農林水産省 農林水産技術会議事務局
（現）信州大学 繊維学部
氏原和人 農林水産省 農林水産技術会議事務局
多田邦雄 （株）ミヨシ
高橋 巌 金印わさび（株） 網走研究所 所長
（現）（株）ホープ 代表取締役社長
岡田 誠 （現）（株）天香園 代表取締役社長
古城鶴也 （株）相模洋蘭園
（執筆者の所属は，注記以外は1985年当時のものです）
【構成および内容】
序 章 田中隆莊
第１章 植物のクローン増殖技術
１．クローン増殖技術と遺伝的安定性 谷口研至
１．１ クローン増殖技術と遺伝的安定性
１．１．１ はじめに
１．２ クローン増殖法の種類
１．２．１ クローン増殖法の比較
１．２．２ 茎頂組織培養法（早生分枝法）
１．２．３ 茎頂組織培養法の新技術（苗条原基法）
１．３ クローン増殖法の遺伝的安定性（染色体を中心として）
１．３．１ 培養法の種類と遺伝的安定性
１．３．２ 再分化個体の遺伝的安定性
１．４ おわりに
２．無菌培養の確立法 森 寛一
２．１ 材料の無菌化と培養技術（茎頂組織培養の方法）
２．１．１ 組織の分離
２．１．２ 培養
２．１．３ 育成
２．１．４ 検定
２．２ ウイルスフリー化技術
２．２．１ 茎頂組織培養によるウイルスフリー化
２．２．２ カルス培養によるウイルスフリー化
２．２．３ 各種植物のウイルスフリー化
３．寒天培養によるクローン増殖技術 長尾照義
３．１ はじめに
３．２ 培地
３．２．１ 成分
３．２．２ pH
３．２．３ 寒天
３．３ 外植片の条件と培養操作
３．４ 培養条件
３．４．１ 温度
３．４．２ 光
３．５ ナス科野菜における雄性不稔系統のクローン大量増殖法
３．５．１ トマトの核遺伝子雄性不稔系統の増殖
３．５．２ ピーマンの細胞質雄性不稔系統の増殖
３．６ おわりに
４．液体培養による工業的クローン増殖技術
４．１ はじめに
４．２ 液体培養法の考え方
４．３ 液体培養法の実際
４．３．１ 液体培養に必要な機械・器具とその操作法
４．３．２ 液体培養による各種植物のクローン増殖
４．４ 工業的クローン増殖技術の展望
５．人工種子 鎌田 博
５．１ はじめに
５．２ 従来の方法の問題点
５．３ 人工種子の作成
５．３．１ 人工膜による包埋法
５．３．２ 包埋する培養物
５．３．３ 栄養物等
５．３．４ 人工種子の作成と発芽
５．４ 人工種子の問題点と今後の課題
６．苗化・馴化・移植技術 阪本 均
６．１ はじめに
６．２ 培養植物の特性
６．３ 発根培地
６．３．１ 培地成分
６．３．２ 矮化剤等の物質の添加
６．４ 培養室内の作業
６．４．１ 照明
６．４．２ 容器とキャップ
６．４．３ 容器内湿度
６．５ 馴化操作
６．５．１ ガラス室の環境
６．５．２ 蒸散阻害剤，他
６．６ in vivo での発根
６．７ 移植操作
６．７．１ 用土
６．７．２ 移植
６．８ おわりに
７．クローン増殖技術と変異の発生 田代洋丞，宮崎貞巳
７．１ はじめに
７．２ 組織培養と変異の発生
７．２．１ 変異の種類
７．２．２ 変異の起源
７．２．３ 変異の頻度に影響する主な要因
７．３ クローン増殖の方法と変異の発生
７．３．１ 定芽の分枝と変異の発生
７．３．２ 不定芽形成と変異の発生
７．３．３ 不定胚形成と変異の発生
７．４ クローン増殖における変異の管理
７．４．１ 変異し難い材料植物の採用
７．４．２ 変異が発生した難い増殖方法の採用
７．４．３ 変異体の検出と除去
７．４．４ 除去されずに残る変異体の頻度
７．５ おわりに
第２章 各種植物のクローン増殖法
１．花き 藤野守弘
１．１ はじめに
１．２ 鉢物
１．３ 宿根切り花
１．４ 球根切り花
１．５ １，２年草切り花
１．６ 花木
１．７ おわりに
２．野菜 八鍬利郎
２．１ はじめに
２．２ アスパラガス
２．２．１ 試験管内での茎の増殖
２．２．２ 植物体の再生
２．２．３ カルスからの植物体の再生
２．２．４ 土壌への移植
２．２．５ 人工種子
２．３ イチゴ
２．３．１ 茎頂培養（生長点培養）
２．３．２ カルス培養による無病疫苗の大量増殖法
２．４ ヤマイモ
２．４．１ ナガイモ
２．４．２ ヤマトイモ
２．５ 食用ユリ
２．５．１ 培養法
２．５．２ 鉢上げ方法
２．６ ネギ類（ニンニク，ラッキョウ，ネギ）
２．６．１ ニンニク
２．６．２ ラッキョウ
２．６．３ ネギ（坊主しらず）
３．穀類 新関宏夫，島田多喜子
３．１ はじめに
３．２ 苗条原基培養によるクローン増殖
３．２．１ イネ
３．２．２ トウモロコシ
３．２．３ シコクビエ
３．３ 未熟胚培養によるクローン増殖
３．４ 幼穂培養によるクローン増殖
４．果樹 秋濱友也，植松千代美
４．１ はじめに
４．２ 茎頂培養によるクローン増殖
４．３ 種苗大量増殖の現況
４．４ おわりに
５．材木 齋藤 明，佐藤 亨
５．１ はじめに
５．２ 針葉樹
５．２．１ スギ（無菌発芽苗）
５．２．２ スギ（萌芽枝の試験管内サシキ）
５．３ 広葉樹
５．３．１ シラカンバ
６．薬用植物 西岡五夫
６．１ はじめに
６．２ アカヤジオウのクローン増殖法と化学的品質評価
６．２．１ クローン増殖
６．２．２ 土壌移植
６．２．３ ウイルス検定
６．２．４ 試験栽培
６．２．５ 化学的品質評価
６．３ おわりに
７．桑科植物 大山勝夫
７．１ はじめに
７．２ 桑科植物の組織・細胞培養
７．２．１ カルス・細胞培養
７．２．２ 器官培養
７．２．３ 形態形成
７．３ 桑分離芽の培養と増殖
７．３．１ 植付材料の種類と準備
７．３．２ 培養基の準備と培養条件
７．３．３ 分離芽の栄養要求
７．３．４ 茎頂の継代培養
７．３．５ 植物体の再生
７．４ おわりに
８．熱帯観葉・花卉類および有用作物 細木高志
８．１ はじめに
８．２ 熱帯観葉・花卉類
８．２．１ オウゴンカズラ（Scindapsus aureus ，サトイモ科）
８．２．２ アナナス科（パイナップル科）
８．２．３ アンスリウム（Anthurium andraenum ，サトイモ科）
８．２．４ モンステラ（Monstera deliciosa ，サトイモ科）
８．２．５ カラジウム（Caladium hortulanum ，サトイモ科）
８．２．６ ドラセナ（Dracaena marginata ，ユリ科）
８．２．７ コルディリーネ（Cordyline terminalis ，ユリ科）
８．２．８ ユッカ（Yucca elephantipes ，ユリ科）
８．２．９ ギボウシ（Hosta decorata ，ユリ科）
８．２．10 サンスベリア（Sansevieria trifasciata ，ユリ科）
８．２．11 クリスマスパーム（Veitchia merrillii ，ヤシ科）
８．２．12 カランコエ（Kalanchoe blossfediana ，ベンケイソウ科）
８．２．13 ペペロミア（Peperomia sandersii ，コショウ科）
８．２．14 エピフィルム（Epiphyllum chrysocardium ，サボテン科）
８．２．15 グロキシニア（Sinningia spesiosa ，イワタバコ科）
８．２．16 セントポーリア（Saintpaulia ionantha ，イワタバコ科）
８．２．17 ゴクラクチョウカ（Strelitzia,reginae ，バショウ科）
８．２．18 ブーゲンビレア（Bougainvillea glabra ，オシロイバナ科）
８．２．19 ハエジゴク（Dionaea muscipula ，イシモチソウ科）
８．３ 熱帯有用作物
８．３．１ ナツメヤシ（Phoenix dactylifera ，ヤシ科）
８．３．２ アフリカンアブラヤシ（Elaeis guineensis.var.pisifera ，ヤシ科）
８．３．３ サトウキビ（Saccharum sp.hybrid ，イネ科）
８．３．４ マンゴ（Mangifera indica ，ウルシ科）
８．３．５ パパヤ（Carica papaya ，パパヤ科）
８．３．６ カカオ科（Theobroma cacao ，アオギリ科）
８．３．７ コーヒー（Coffea arabica ，アカネ科）
８．３．８ カッシュナッツ（Anacardium occidentale ，ウルシ科）
８．３．９ ピスタチオナッツ（Pistacia vera ，ウルシ科）
８．３．10 アーモンド（Prunus amygdalus ，バラ科）
８．３．11 コンニャク（Amorphophallus rivieri ，サトイモ科）
８．３．12 キャッサバ（Manihot esculenta ，トウダイグサ科）
８．３．13 ココヤム（Xanthosoma sp. ，サトイモ科）
８．３．14 カウピー（Vigna ungulata ，マメ科）
８．３．15 シカクマメ（Psophocarpus tetragonolobus ，マメ科）
８．３．16 ワタ（Gossipium klotzschianum ，アオイ科）
８．３．17 ユーカリ（Eucalyptus grandis ，フトモモ科）
８．３．18 パイナップル（Ananas comosus ，パイナップル科）
８．３．19 バナナ（Musa spp ，バショウ科）
８．３．20 ショウガ（Zingiber officinale ，ショウガ科）
９．ラン科植物 向山武彦
９．１ はじめに
９．２ 設備，機器および付帯設備
９．３ 培地
９．４ 培養環境
９．４．１ 温度
９．４．２ 光
９．５ 培養方法
９．５．１ 採芽－ＰＬＢ誘導
９．５．２ ＰＬＢの継代－増殖
９．５．３ shoot 形成－植物体生長
９．６ カトレヤ
９．６．１ 採芽－ＰＬＢ誘導
９．６．２ ＰＬＢの継代－増殖
９．６．３ shoot 形成－植物体生長
９．７ シンビジューム
９．７．１ 採芽－ＰＬＢ誘導
９．７．２ ＰＬＢの継代－増殖
９．７．３ shoot 形成－植物体生長
９．８ ミルトニア，オンシジューム，オンドントグロッサム類
９．８．１ 採芽－ＰＬＢ誘導
９．８．２ ＰＬＢの継代－増殖
９．８．３ shoot 形成－植物体生長
９．９ おわりに
第３章 育種とクローン増殖技術
１．育種におけるクローン化技術
１．１ クローン化技術の二面性
１．２ 育種におけるクローン大量増殖のもたらす影響
１．２．１ 品種成立までの年限短縮－栄養繁殖性作物
１．２．２ ヘテロ個体の品質化－種子繁殖性作物
１．２．３ 不稔性植物の増殖
１．２．４ F1採種用の親系統の維持・増殖
１．２．５ 貴重な遺伝子資源の保存・増殖
１．３ クローン化技術の諸問題
１．３．１ ソマクローナル変異
１．３．２ 植物体に内在する変異
１．３．３ 細胞レベルのクローニング
１．３．４ 効率よい変異体の選抜－半数体の利用
１．３．５ 不定胚の有用性
１．３．６ 苗条原基－変異を抑える技術
１．３．７ クローンの保存
１．４ おわりに
２．突然変異育種 重松康司
２．１ はじめに
２．２ 突然変異育種法
２．２．１ 突然変異源の種類
２．２．２ 放射線を用いた場合の適性照射線量
２．２．３ 組織からの再分化のメカニズムと照射時期
２．２．４ 染色体数の変異と形態的変化
２．２．５ 組織培養を行う上での要点と問題点
２．３ 放射線と組織培養法を用いた応用例
２．３．１ 早咲きの菊品種の作品
２．３．２ 花卉培養による花色の固定
２．４ おわりに
３．子房培養・胚珠培養 新美芳二
３．１ はじめに
３．２ 子房培養
３．３ 胚珠培養と試験管内受精
３．３．１ 胚珠培養法
３．３．２ 試験管内受精
３．４ おわりに
４．半数体育種 新美芳二
４．１ はじめに
４．２ 葯培養による植物体の形成
４．２．１ 雄性単為生殖に及ぼす要因
４．２．２ 植物体の形成と倍数性
４．３ 未受精の子房および胚珠からの半数体
４．４ おわりに
５．低温培養による系統保存 小林 仁
５．１ はじめに
５．２ 植物の系統保存と遺伝的安定性
５．３ 低温培養による系統保存
５．３．１ 初代外植片の殺菌法
５．３．２ 培地
５．３．３ 培養条件
５．３．４ 馴化処理
第４章 クローン植物生産設備・機器 高山眞策
１．はじめに
２．無菌培養用設備・機械・器具
２．１ 無菌培養の確立
２．１．１ 母植物の調整
２．１．２ 器具の滅菌
２．１．３ 殺菌操作
２．１．４ 生長点採取
２．１．５ 培養原液作成，培地調整，培地貯蔵
２．１．６ 移植操作
２．１．７ 器官培養操作
２．２ クリーンシステム
３．馴化・栽培システム
４．クローン植物大量生産と植物工場
５．研究用設備・機器
第５章 クローン植物大量生産および関連分野の開発 西 貞夫
１．クローン植物利用の経緯
１．１ 農業分野におけるバイオテクノロジーの評価
１．２ クローン植物の利用
２．ウイルスフリー株の作出とクローン植物作出の今まで
２．１ ウイルスフリー株の作出とクローン植物作出への期待
２．２．１ ウイルスフリー株作出の歴史
２．２．２ クローン植物作出の歴史
３．クローン植物・クローン品種の利用
３．１ クローン植物とウイルスフリー
３．２ クローン植物利用の意味
３．２．１ 栄養繁殖性作物
３．２．２ 種子繁殖性作物
４．クローン植物の急速大量増殖法の開発の経緯
４．１ 茎頂培養などによる大量増殖
４．２ カルス培養による急速大量増殖
４．３ その他
５．クローン植物の大量増殖と植物工場
第６章 クローン植物大量生産事業の現状
１．国内の現状
１．１ 農林水産省における事業・試験研究の現状
１．１．１ はじめに
１．１．２ 試験研究の現状
（１）研究推進体制
（２）研究開発の推進状況
１．１．３ 農林水産ジーンバンク事業
１．１．４ 今後の推進方策－６１年度予算要求から－
１．１．５ おわりに
１．２ 都道府県における事業・試験研究の現状 氏原和人
１．２．１ はじめに
１．２．２ 組織培養関係試験研究・試験の現状
（１）野菜
（２）花き
（３）果樹
１．３ 民間企業の現状
１．３．１ （株）ミヨシ 多田邦雄
（１）会社概要
（２）当社の植物組織培養
１．３．２ 金印わさび（株） 高橋 巌
（１）はじめに
（２）クローン植物大量生産による栽培システム
（３）今後の課題
（４）現状
１．３．３ 向山蘭園 向山武彦
（１）はじめに
（２）会社のあゆみ
（３）会社の現状
１．３．４ 中島天香園 岡田 誠
（１）はじめに
（２）果樹苗木生産の現状
（３）大量増殖技術としての茎頂培養
（４）ウイルスフリー化技術としての茎頂培養
（５）茎頂培養によるウイルスフリー化と大量増殖の今後の課題
１．３．５ 相模洋蘭園 古城鶴也
２．海外の現状 高山眞策
２．１ Twyford Plant Laboratories Limited. （イギリス）
（１）住所
（２）会社の概要
（３）生産の状況
（４）研究の状況
（５）生産対象植物
２．２ Delbard International （フランス）
（１）住所
（２）会社の概要
（３）生産および研究の状況
２．３ Microviv （フランス）
（１）住所
（２）会社の概要
（３）生産の状況
２．４ Bedrijfslaboratorium voor Weefselkweek （オランダ）
（１）住所
（２）会社の概要
（３）生産の状況
内容説明
現在、基礎研究や農業技術の研究に携わる方々だけでなく、行政や商業、工業分野においても、バイオテクノロジーの中で特に進歩の著しいクローン植物に関連する最新の技術情報を、適確に把握することは必要不可欠と考えられる。本書はクローン植物について、広く各専門分野を網羅して企画した。
目次
第１章 植物のクローン増殖技術
第２章 各種植物のクローン増殖法
第３章 育種とクローン増殖技術
第４章 クローン植物生産設備・機器
第５章 クローン植物大量生産および関連分野の開発
第６章 クローン植物大量生産事業の現状
著者等紹介
田中隆荘［タナカリュウソウ］
広島大学理学部
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
