プロテオミクスの最新技術

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  • サイズ B5判/ページ数 108p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784882317760
  • NDC分類 467.3
  • Cコード C3045

出版社内容情報


★ポストゲノムとして注目されるプロテオミクス!
★本研究をリードする第一人者22名による執筆!





 さまざまな生物種のゲノムDNA配列が明らかにされるにつれて,ポストゲノム時代の一翼を担う研究手法としてプロテオミクスが一躍注目されている。プロテオミクス研究を支えているのは蛋白質同定法の一つとしての質量分析法である。しかし,そもそも従来の質量分析法では,蛋白質のような質量の大きなものを自在にイオン化して真空中を飛ばすことは不可能と考えられていた。それを可能にした二人の人物が2002年ノーベル化学賞に輝いた。一人は島津製作所の田中耕一氏で,蛋白質をレーザー照射によってソフトに壊すことなくイオン化する方法を開発し,もう一人の米国の John B.Fenn氏は,電極からスプレーのように蛋白質のイオンを生成させることに初めて成功した。いずれの方法も,蛋白質やその断片であるペプチドの質量分析に現在広く使われており,本書においても随所にこれらの方法(MALDI及びESI)に基づく質量分析法が登場する。これらの方法の開発なしに今日のプロテオミクスの隆盛はありえなかったと言っても過言ではない。
 本書は,昨年11月に出版されたBIO INDUSTRY 特集号「プロテオミクスの最前線」においては実現できなかった,蛋白質修飾の解析など,より詳細なプロテオーム解析法についての解説を付け加えて再編集したものである。特に,蛋白質のリン酸化や糖鎖による修飾の解析,ゲル電気泳動を用いない解析法や定量的プロテオーム解析などの最新技術については,蛋白質間相互作用の解析に加えて詳しく紹介していただいた。また,ゲノムプロジェクトが完了していない動物種におけるプロテオーム解析に関しても,実例をあげてそれが可能になりつつある状況について解説していただいた。さらに,プロテオミクスの将来を見通す一助となればと考え,これからの蛋白質機能研究についてバイオインフォーマティクスの立場からの一文を頂戴した。
 プロテオミクスの入門者から専門家まで,さまざまな分野で蛋白質機能を追求している方々が,本書の中で「役に立つ何か」を見つけていただけたなら,編者としてこの上ない幸せです。
 2002年10月                                   深見泰夫



 執筆者一覧(執筆順)

深見泰夫  神戸大学 理学部 生物学科 教授
谷口寿章  徳島大学 分子酵素学研究センター 酵素分子生理学部門 教授
        理化学研究所 播磨研究所 チームリーダー
佐塚隆志  (財)かずさDNA研究所 植物遺伝子部 植物遺伝子第二研究室 研究員
伊藤隆司  金沢大学 がん研究所 教授
        科学技術振興事業団バイオンフォマティクス推進センター
千葉智子  金沢大学 がん研究所 
吉田美寸夫 インテック・ウェブ・アンド・ゲノムインフォマティクス(株)技術部
夏目 徹  独立行政法人産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター 機能ゲノムグループ タンパク質ネットワー
ク解析チーム チーム長
小林祐次  大阪大学大学院 薬学研究科 高分子化学分野 教授
八田知久  独立行政法人農業生物資源研究所 博士研究員
西 義則   大阪大学大学院 薬学研究科 高分子化学分野 博士課程
内山 進   大阪大学大学院 薬学研究科 高分子化学分野 博士研究員
山縣 彰   (株)プロフェニックス 主任研究員
大房 健   広島大学大学院 理学研究科 生物科学専攻 発生生物学研究室 助手
成松 久   独立行政法人産業技術総合研究所 糖鎖工学研究センター 副センター長
西村俊秀  九州大学 生体防御医学研究所 客員教授
片山博行  エーザイ(株)シーズ研究所
小田吉哉  エーザイ(株)シーズ研究所 主幹研究員
吉野健一  神戸大学 バイオシグナル研究センター 助手
米澤一仁  神戸大学 バイオシグナル研究センター 教授
由良 敬   日本原子力研究所 計算科学技術推進センター 量子生命情報解析グループ
染原俊朗  (株)島津製作所 分子機器事業部 ライフサイエンス部 主任
Mark Wilkins Proteome Systems Limited vice president



 構成および内容


序                                  深見泰夫

第1章 ゲノミクスとプロテオミクス-遺伝子配列から蛋白質機能へ-    谷口寿章
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 2.プロテオミクスの基盤技術  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
  2.1 質量分析による蛋白質の同定
  2.2 蛋白質同定の原理
  2.3 従来の研究法との相違
 3.プロテオミクス解析技術の展開  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
  3.1 二次元ゲル電気泳動の問題点
  3.2 二次元ゲル電気泳動をバイパスする
  3.3試料の前処理の重要性
 4.プロテオミクスで何を解析するのか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
  4.1 発現プルファイルとその変動
  4.2 プロテオミクスでしかできないことは何か?
  4.3 蛋白質間相互作用
  4.4 翻訳後修飾
 5.おわりに-遺伝子配列から蛋白質機能へ- ・・・・・・・・・・・9

第2章 ラン藻および高等植物のプロテオーム解析          佐塚隆志
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
 2.植物ゲノム科学と植物プロテオミクス ・・・・・・・・・・・・・・・11
 3.ラン藻プロテオミクスの動機と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・12
 4.ラン藻プロテオミクスの実際 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
 5.植物のプロテオミクス-シロイヌナズナ液胞膜濃縮画分の包括的タンパク解析を例として- ・・16
 6.植物プロテオミクスおよび今後の展望  ・・・・・・・・・・・・・・20

第3章 リバースプロテオミクスによる蛋白質間相互作用の系統的解析    伊藤隆司、千葉智子、吉田美寸夫
 1. プロテオミクスにおける蛋白質相互作用解析  ・・・・・・・・23
 2. 2つのプロテオミクスと相互作用解析  ・・・・・・・・・・・・・・23
 3. プロテオームチップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
 4. ゲノムワイド2ハイブリッド解析  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
 5. カタログ化の次に来るもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
 6. おわりに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

第4章 BIA-MS/MS:機能プロテオミクスのための表面プラズモン共鳴センサーと質量分析法  夏目 徹
 1.機能解析とタンパク質相互作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
 2.BIA-MS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
 3.マイクロリカバリーテクニック  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
 4.BIA-MS/MS  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
 5.構成的相互作用とダイナミック相互作用  ・・・・・・・・・・・・34
 6.おわりに-高次相互作用情報- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

第5章 分子間相互作用の解析における超遠心法の活用   小林祐次、八田知久、西 義則、内山 進
 1.はじめに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
 2.TGF-βスーパーファミリーと骨形成因子(Bone-Morphogenetic Protein;BMP) ・・・40
 3.XBMPの大量発現と物性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
 4.BMPⅠ型レセプターの細胞外ドメイン(BMPtypeⅠA)の発現と物性 ・・・41
 5.沈降平衝法による分子量測定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
  5.1 沈降平衝法の原理-1
  5.2 BMPtypeⅠAの沈降平衝法による解析結果
 6.沈降平衝法による蛋白質の相互作用の解析 ・・・・・・・・・45
  6.1 沈降平衝法の原理-2
  6.2 BMPtypeⅠAの相互作用の沈降平衝法による解析結果
 7.沈降速度法による蛋白質の相互作用の解析 ・・・・・・・・・46
  7.1 沈降速度法
  7.2 沈降速度法の原理-2
  7.3 BMP とBMPtypeⅠAの相互作用の沈降速度法による解析結果
 8.おわりに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48

第6章  脱リン酸化酵素と二次元電気泳動によるリン酸化タンパク質の解析   山縣 彰、大房 健
 1.はじめに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
 2.リン酸化タンパク質の網羅的解析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・50
  2.1 脱リン酸化酵素処理の最適化
  2.2 リン酸化タンパク質のマッピング
  2.3 デストリンとコフィリンのリン酸レベルの変化
  2.4 細胞接着状態とコフィリンとデストリンのリン酸化レベルの関係
  2.5 肝星細胞の活性化現象におけるリン酸化タンパク質の構成変化
 3.おわりに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54

第7章 プロテオミクス世代をさらに発展させるには?        成松 久
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
 2.複合糖質の種類  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
 3.N-グリカンの生合成の構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
 4.0-グリカンの生合成の構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
 5.ハイスループットの糖転移酵素の結晶解析   ・・・・・・・・・59
 6.おわりに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60

第8章 脱ゲルプロテオミクスへの展開                 西村俊秀
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63
 2.一次元電気泳動による“ショットガン”解析  ・・・・・・・・・・64
 3.ポスト2-DE法とMS-タグ法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
 4.MuDLCによる“ショットガン”解析  ・・・・・・・・・・・・・・・・・66
  4.1 MuDLCの特徴
  4.2 蛋白質分画
  4.3 高速酵素消化法
  4.4 ペプチド分画
 5.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71

第9章 創薬シーズ探しのためのプロテオミクス        片山博行、小田吉哉
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73
 2.フォーカスド・プロテオーム  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
  2.1プロテオーム解析の限界
  2.2 Subcellular proteome
  2.3 Phosphoproteome
  2.4 Chemical targeted proteome
 3.定量的プロテオーム  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77
 4. おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78

第10章 質量分析法による配列未知的蛋白質の同定    吉野健一、米澤一仁
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81
 2.ESTデータベースを利用する同定法  ・・・・・・・・・・・・・・・81
 3.プロテオーム解析におけるESTデータベースの問題点 ・・82
 4.TC配列データーベース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84
 5.TC配列データーベースを用いる同定法Ⅰ ~MS/MSによる解析~ ・・・87
 6.TC配列データーベースを用いる同定法Ⅱ ~PMFによる解析~ ・・・・・89
 7.de novo sequencing 法による同定法 ・・・・・・・・・・・・・・89
 8.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91

第11章 ゲノム配列にもとづくタンパク質機能予測          由良 敬
 1.はじめに:ゲノム配列決定の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・93
 2.ゲノム配列決定と解読のギャップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・94
 3.生命情報学の起こり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
 4.ゲノム時代の生命情報学の方法論  ・・・・・・・・・・・・・・・95
  4.1 機能とは
  4.2 ORF予測
  4.3 機能予測 アミノ酸配列の類似性検索
  4.4 機能予測 立体構造の類似性検索
  4.5 膜タンパク質予測
  4.6 タンパク質局在予測
  4.7 タンパク質間及びタンパク質DNA間の相互作用予測
 5.これから  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100

第12章 プロテオミクス新技術-それは何を可能にするのか?   染原俊朗、Mark Wilkins
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103
 2.Protein Array ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103
  2.1 抽出法の改良
  2.2 粗分画
  2.3 難溶性タンパク質の取り扱い
 3.タンパク質Characterisationのハイスループット化 ・・・・105
  3.1 PMF(Peptide Mass Fingerprinting)
  3.2 前処理ロボット
  3.3 Chemical Printer
  3.4 Protein Chip
 4.Integrating with Bioinformatics ・・・・・・・・・・・・・・・・・107

内容説明

本書は、昨年11月に出版されたBIO INDUSTRY特集号「プロテオミクスの最前線」においては実現できなかった、蛋白質修飾の解析など、より詳細なプロテオーム解析法についての解説を付け加えて再編集したものである。特に、蛋白質のリン酸化や糖鎖による修飾の解析、ゲル電気泳動を用いない解析法や定量的プロテオーム解析などの最新技術については、蛋白質間相互作用の解析に加えて詳しく紹介した。

目次

ゲノミクスとプロテオミクス―遺伝子配列から蛋白質機能へ
ラン藻および高等植物のプロテオーム解析
リバースプロテオミクスによる蛋白質間相互作用の系統的解析
BIA‐MS/MS:機能プロテオミクスのための表面プラズモン共鳴センサーと質量分析法
分子間相互作用の解析における超遠心法の活用
脱リン酸化酵素と二次元電気泳動によるリン酸化タンパク質の解析
プロテオミクス世代をさらに発展させるには?
脱ゲルプロテオミクスへの展開
創薬シーズ探しのためのプロテオミクス
質量分析法による配列未知蛋白質の同定―非哺乳動物モデル生物のプロテオーム解析
ゲノム配列にもとづくタンパク質機能予測
プロテオミクス新技術―それは何を可能にするのか?

著者等紹介

深見泰夫[フカミヤスオ]
神戸大学理学部生物学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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