ポリマーバッテリーの最新技術 〈2〉

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ポリマーバッテリーの最新技術 〈2〉

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  • サイズ B5判/ページ数 252p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882314165
  • NDC分類 572.12
  • Cコード C3054

出版社内容情報

 【刊行のねらい】

 高分子材料を電池に応用することが長年考えられてきた。電池のバインダーやセパレーターはまさに高分子材料である。これらの高分子(ポリマー)材料は,すでに実用化され電池にとってなくてはならない材料となっている。一方,ここ十数年の電池の歴史を振り返って見ると,ポリマー材料に関するものが多く見受けられる。ポリマーを用いて電池の構成要素をすべて作り出すことも考えられてきた。すなわち,電極材料や電解質材料としての検討である。これらの材料は電池中では主たる材料であり,このような材料をポリマーで構成するには電気の流れる高分子やイオンが容易に移動できるポリマーが必要であり,これまでに多くの研究がなさ
れ,その結果,多くの新しい材料が創製されてきた。そして多くの興味ある電気化学的に活性名ポリマーに関する提案が発表され,その度にリチウム電池や他の電池への応用が検討されてきた。このような状態は現在も継続されている。そして,これらの研究開発を行ってきた中の一つの成果として,リチウムイオン伝導性のゲルポリマーがリチウムイオン電池の電解質として実際に応用され,ポリマー電池として分類され携帯電話の電源として実際に使用されている。しかしながら,これまでに多くの研究が行われてきたものの,実用電池への適用は以外に少ない気がする。これは,ポリマー以外の無機系あるいは液系の多くの優れた材料があり,ポリマーでなくてはならないという究極的な理由がなかったためであろう。ゲル系電解質の場合には,角型の電池作製するためには,液体よりもポリマーの法が適していると判断され,ゲルポリマーが実用化されたものと思われる。具体的には,電池のエネルギー密度を向上させるために,ゲル電解質を使用することが不可欠であったことが大きな要因となっているものと考えられる。
 リチウムイオン電池あるいはリチウム電池が今後もいろいろな機器において使用され,多種多様なニーズが生み出され,その結果電池への要求もいろいろ変化する。この時に,電解質は電解液系だけ,活物質は遷移金属酸化物系だけといったように,単一の電解質材料系あるいは電極材料系しか我々が有していなければ,新しいニーズに対応できなくなる可能性がある。現在の社会状況を眺めてみると,新しい電池への要求が噴出してきそうな時であり,今まさに新しい材料,ポリマー材料への期待の高まる時代が訪れようとしている。その代表例が,電気自動車であり,燃料電池車である。ポリマー電池に関する技術を継承し,加えて新しい材料の開発やシステムの構築を進めていかなければならない時代になりつつある。
 本著書は、初版のポリマー電池に関する著書を基にしてその内容を改訂しながら,新しい内容を加えた総説として位置づけることができる。前回の出版から既に数年の年月が経過しており,その間にもいろいろなポリマー電池に関する動きがあったが,そのことも含めてポリマー電池に関する情報を集めた書物として出版されている。ポリマーといえばイオン伝導性高分子であり,導電性高分子であるが,バインダーやセパレーターもポリマーであるし,広い意味では炭素もポリマーの一種である。これらの材料がリチウム電池やキャパシターに応用されているが,今後ますますこれらの材料が研究され,実用化されることを大いに期待し,本書を出版
するものである。
 2003年9月                          金村聖志


 【執筆者一覧】

金村聖志   東京都立大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授
高見則雄   (株)東芝 研究開発センター 給電材料・デバイスラボラトリー 室長
矢田静邦   (株)KRI 理事 エネルギー変換研究部長
天池正登   日本曹達(株) 高機能材料研究所 材料探索研究部 研究員
桑畑 進    大阪大学 大学院工学研究科 教授
直井勝彦   東京農工大学大学院 工学研究科応用化学専攻 教授
荻原信宏   東京農工大学大学院 工学研究科応用化学専攻 博士後期課程
徳田浩之   横浜国立大学大学院 工学府 機能発現工学専攻 博士後期課程;日本学術振興会 特別研究員
渡邉正義   横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門 教授
田畑誠一郎  横浜国立大学大学院 工学府 機能発現工学専攻 博士後期課程
河野通之   第一工業製薬(株) 開発研究本部 開発研究部 部長
宇恵 誠    (株)三菱化学科学技術研究センター 電池材料研究所,電池システム研究所 所長
内本喜晴   東京工業大学 大学院理工学研究科 助教授
脇原將孝   東京工業大学 大学院理工学研究科 教授
辻岡則夫   旭化成(株) 応用製品開発研究所 主席研究員
Lie Shi     Celgard Inc. Technology Vice President
足立 厚    セルガード(株) セルガードチーム テクニカルサービスエンジニア
John Zhang   Celgard Inc. New Technology Vice President
永井愛作   呉羽化学工業(株) 錦総合研究所 電材研究室長
森田昌行   山口大学 工学部 応用化学工学科 教授
白石壮志   群馬大学 大学院工学研究科 ナノ材料システム工学専攻 助手
中根育朗   三洋電機(株) コンポーネント企業グループ モバイルエナジーカンパニー R&Dビジネスユニット 第一開発部 チ
ーフ


 【構成および内容】

第1章 ポリマーバッテリーの現状と今後の進展 ・・・・・・・・1 金村聖志

第2章 ポリマー負極材料
 1.炭素系材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9  高見則雄
  1.1 はじめに
  1.2 負極特性
   1.2.1 黒鉛質材料
   1.2.2 易黒鉛化性炭素
   1.2.3 難黒鉛化性炭素
   1.2.4 低温焼成炭素
  1.3 リチウム吸蔵放出反応
   1.3.1 炭素の構造と容量
   1.3.2 黒鉛のリチムインターカレーション
   1.3.3 低温焼成炭素のリチウム吸蔵反応
   1.3.4 難黒鉛化炭素のリチウム吸蔵反応
  1.4 おわりに
 2.ポリアセン・PAHs系材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33   矢田静邦
  2.1 はじめに
  2.2 ポリアセン系物質(一次元グラファイト)
  2.3 ポリアセン系物質のリチウム2次電池への応用
  2.4 PAHsの構造と物性
  2.5 PAHs電池
  2.6 リチウム2次電池の将来

第3章 ポリマー正極材料
 1.導電性高分子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47   金村聖志
  1.1 総論
   1.1.1 正極材料の電気化学
   1.1.2 導電性ポリマーの形状と電気化学特性
   1.1.3 導電性ポリマー正極の改良
   1.1.4 おわりに
  1.2 ポリピロール                          天池正登
   1.2.1 はじめに
   1.2.2 ピロールモノマーの合成方法
   1.2.3 ポリピロールの合成とその性質
   1.2.4 3,4-置換ピロール重合体の開発
   1.2.5 おわりに
  1.3 ポリアニリン                          桑畑 進
  1.4 その他の導電性高分子                   桑畑 進
 2.有機硫黄系化合物 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74  直井勝彦,荻原信宏
  2.1 はじめに 
  2.2 有機硫黄系材料のエネルギー貯蔵原理
  2.3 有機硫黄系材料の分類と電池特性比較
   2.3.1 分類
   2.3.2 電池特性
  2.4 有機硫黄系正極材料の報告例
   2.4.1 有機ジスルフィド化合物
   2.4.2 カーボンスルフィド化合物
   2.4.3 単体硫黄
  2.5 現状のLithium/Sulfur Battery開発動向
   2.5.1 電極作製(ファブリケーション)
   2.5.2 Lithium/Sulfur Battery用電解質の検討
   2.5.3 Lithium/Sulfur Batteryの電池特性
  2.6 おわりに
 3.無機材料・導電性高分子コンポジット正極 ・・・・・・・・・・・92  桑畑 進
  3.1 層状化合物と導電性高分子のコンポジット材料
  3.2 金属酸化物粒子と導電性高分子のコンポジット材料

第4章 ポリマー電解質
 1.ポリマー電解質の応用と実用化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・98  金村聖志
  1.1 ポリマー電解質の種類
  1.2 ポリマー電解質のイオン伝導性
  1.3 ポリマー電解質の界面構造制御
  1.4 セパレーターとしてのポリマー電解質
  1.5 新規イオン伝導性ポリマーの開発
  1.6 ポリマー電解質の熱的安定性と実用化
  1.7 おわりに
 2.ポリエーテル系固体電解質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・108  徳田浩之,渡邉正義
  2.1 電解質と高分子
  2.2 ポリエーテル中のイオン伝導の特徴と分子設計
   2.2.1 イオン解離・輸送機構
   2.2.2 ポリエーテル構造の変遷
  2.3 リチウム塩の研究展開
   2.3.1 電解質特性に及ぼすリチウム塩の影響
   2.3.2 新しいアニオン構造
  2.4 高分子固体電解質の機能化
   2.4.1 高分子電解質型イオン伝導体
   2.4.2 アニオン捕捉型高分子
   2.4.3 無機金属酸化物の添加効果
  2.5 高分子固体電解質が形成する電気化学界面
   2.5.1 金属リチウムと高分子固体電解質の界面
   2.5.2 複合正極と高分子固体電解質の界面
  2.6 おわりに
 3.高分子ゲル電解質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・127 田畑誠一郎,河野通之,渡邉正義
  3.1 リチウム二次電池と高分子ゲル電解質
  3.2 様々な高分子ゲル電解質
   3.2.1 ポリアクリロニトリル(PAN)系
   3.2.2 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系
   3.2.3 ポリメチルメタクリレート(PMMA)系
  3.3 ポリエーテル系高分子ゲル電解質におけるイオン伝導性と電極界面挙動
   3.3.1 イオン導電率
   3.3.2 高分子ゲル電解質/リチウム金属における界面挙動
   3.3.3 リチウム二次電池としての特性
  3.4 高分子ゲル電解質の最近の動向
   3.4.1 ルイス酸を導入した高分子ゲル電解質
   3.4.2 イオン性液体を溶媒に用いた高分子ゲル電解質
  3.5 おわりに
 4.電解質と支持塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・140  宇恵 誠
  4.1 はじめに
  4.2 電解質の役割と要求性能
  4.3 電解質材料の分子設計
   4.3.1 電気伝導率
   4.3.2 電位窓
   4.3.3 界面特性
   4.3.4 使用可能温度領域
   4.3.5 安全性
  4.4 新規電解質材料
  4.5 おわりに
 5.新規高分子固体電解質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・156  内本喜晴,脇原將孝
  5.1 はじめに
  5.2 13族エステルを添加した高分子固体電解質
  5.3 高分子固体電解質/電極界面での電荷移動反応速度
  5.4 電荷移動反応速度に及ぼすルイス酸添加効果
  5.5 おわりに

第5章 セパレーター
 1.材料開発と製造プロセス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・171   辻岡則夫
  1.1 はじめに
  1.2 LIBおよびLIPの市場動向
  1.3 各種二次電池とセパレーター要求特性
  1.4 微多孔ポリオレフィンフィルムの物性と製法
   1.4.1 微多孔ポリオレフィンフィルムの設計
   1.4.2 機械特性
   1.4.3 透過性
   1.4.4 熱特性
  1.5 微多孔フィルム製造技術
   1.5.1 多孔化技術
   1.5.2 フィルム化技術
  1.6 LIPセパレーター
   1.6.1 ゲルポリマー電解質とセパレーター
   1.6.2 LIP用セパレーターの開発
  1.7 おわりに
 2.リチウムポリマーバッテリー用セパレーターの機能と特性 ・・・182  Lie Shi,足立 厚,John Zhang
  2.1 はじめに
  2.2 Sonyタイプのリチウムポリマーバッテリーシステム用セパレーター
  2.3 Bellcoreタイプのリチウムポリマーバッテリーシステム用セパレーター
   2.3.1 Bellcoreシステムとその欠点
   2.3.2 PVdFコートセパレーター
  2.4 おわりに

第6章 リチウムイオン電池用ポリマーバインダー        永井愛作
 1.バインダー樹脂の持つべき役割と特性・・・・・・・・・・・・・・192
 2.各種のポリマーの電気化学的特性 ・・・・・・・・・・・・・・・193
 3.バインダーの接着メカニズム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・196
 4.官能基導入型バインダーおよび高重合度バインダー・・・198
 5.バインダー開発の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199

第7章 キャパシタ用ポリマー
 1.ポリマー・ゲル電解質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200  森田昌行
  1.1 はじめに
  1.2 キャパシタの電解質
  1.3 ポリマーゲル電解質の設計
  1.4 ゲル電解質の種類と特徴
   1.4.1 ポリアクリル酸(PAA)基ヒドロゲル
   1.4.2 ポリ(エチレンオキシド)(PEO)基ポリマーゲル
   1.4.3 ポリアクリロニトリル(PAN)基ポリマーゲル
   1.4.4 ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)基ポリマーゲル
   1.4.5 PEO架橋ポリメタクリレート(PEO-PMA)基ポリマーゲル
  1.5 キャパシタ用途に対するポリマーゲル電解質の課題
  1.6 おわりに
 2.炭素系材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・214  白石壮志
  2.1 はじめに
  2.2 電気二重層キャパシタとは?
   2.2.1 電気二重層キャパシタのエネルギー密度
   2.2.2 多孔質炭素電極の二重層容量
  2.3 活性炭電極の電気二重層容量
   2.3.1 活性炭の製造方法
   2.3.2 水蒸気賦活ACF
   2.3.3 KOH賦活ACF
  2.4 メソポーラスカーボン電極の電気二重層容量特性
   2.4.1 賦活触媒によって調整したメソポーラスカーボン
   2.4.2 ゾルゲル法によって調整したメソポーラスカーボン
   2.4.3 鋳型(テンプレート)法
   2.4.4 フッ素系ポリマーの脱フッ素化法
   2.4.5 その他の多孔質炭素材の電気ニ重層容量特性
  2.5 おわりに

第8章 ポリマー電池の用途と開発                 中根育朗
 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・232
 2.ポリマー電池技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・233
  2.1 ポリマーリチウムイオン電池とゲル状ポリマー電解質
  2.2 ゲル状ポリマー電解質
  2.3 ゲル状ポリマー形成プロセス
  2.4 ポリマーリチウムイオン電池用電極材料
   2.4.1 負極材料
   2.4.2 正極材料
 3.電池性能と仕様 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・247
 4.用途と今後の展望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・249
 5.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・251



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