医薬品製剤技術―粉砕・混合・造粒・乾燥・打錠・表面改質の実際

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医薬品製剤技術―粉砕・混合・造粒・乾燥・打錠・表面改質の実際

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  • サイズ A4判/ページ数 324p/高さ 31cm
  • 商品コード 9784882313618
  • Cコード C3047

出版社内容情報

神戸経営プラン(株)代表取締役 薬学博士 佐川良寿 著

☆秘密のベールに包まれている医薬品製剤技術のノウハウを全面公開!!
☆医薬品製剤の6工程について豊富な実験データを引用して実用的に詳述!!
☆ 450点にもおよぶ図表を駆使して高度な内容をわかりやすく解説!!


 <はじめに>

 粉体を加工して顆粒や錠剤にする操作(製剤)は,化学工業をはじめ多くの産業分野で行われているが。しかしながら,,医薬品業界では他の産業分野と比べて2つの大きな特殊性がある。一つは,製剤の加工に対して厳格な法律規制(GMP)がされていることであり,もう一つは,製剤の加工に対して技術開示が少ないことである。このような特殊性は医薬品の有する固有の性質に基づくものといえる。前者に対しては次のような理由が存在する。医薬品の粉体は病気治療を対象としたものであり,その多くは少量で劇的な薬理作用を有するため顆粒や錠剤にしたとき,含量などの均一性に対して極めて高い品質が要求されることである。そのため,個々の単位操作においても他の産業分野に比べて細かな点も含めてきわめてシビアな管理が必要となる。たとえば,水に難溶性の薬物を可溶化する場合,最終製品の顆粒の一つひとつがすべて水に完全に溶解するためには,”個々の顆粒単位”でこれを実現しなければならない。ミクロにわたるこのような高い品質は,医薬品市場の要求を認識していなければ到底実現できるものではない。このような市場の厳しい要求に対応して厳格な法律規制がなされているわけであるが,日本市場の場合,医薬品の品質に対しては法律規制よりも消費者側の要求の方が厳しいことを理解することが重要である。つまり,法律規制はミニマム・リクワイアメントであるということである。法律の基準を満たしたとしても市場基準で受け入れられなければ製品としては失格である。明文化された法律規制は理解できたとしても,市場側の厳しい要求は長年の経験から得られるものである。すなわち,製品の苦情やクレームを通して市場側の要求を知るには経験の蓄積が必要といえるが,従来はこれらの情報が公開されることはなかった。しかしながら,近年,回収事故に対しては公開が義務付けられたため,これによって品質に対する市場の要求も具体的に知ることが可能となった。
 後者のもう一つの特殊性に対しては次のような理由が存在する。すなわち,医薬品の場合,個々の単位操作は単なる”加工”以上の意味をもつ場合が多いということである。医薬品の効き目を左右するのはその物質自体ではあるが,製剤の加工技術によっても効き目に影響を与えるケースがあり,その結果,製剤における個々の単位操作が医薬品の効き目に対して重要な意味をもつ。このため医薬品業界にあっては新薬の開発とともに製材技術の重要性が昔から認識されてきたわけである。医薬品にとって極めて重要な意義を有する加工技術,製剤単位操作ではあるが,これまで,重要であるがゆえに各社ともいわば”秘伝”の技術として秘匿し,公開されることは少なかった。医薬品そのものは物質特許や製造特許によって独占権を取得できるが,加工技術の多くはノウハウや単純な現象・アイデアに基づくことも多い。また,製造特許・組成特許などで独占権を取得しても技術開示によるデメリットの方が大きいケースが多い。そのためノウハウとして”秘匿”する方がベストであるとの認識が一般的であるという事情があったためでもある。アスピリンは開発されて100年以上になる医薬品であるが,長年ドイツのバイエル社のアスピリンはよく効くことで知られていた。その理由が化学構造式ではなく結晶多形によるものであることが解明されたのは比較的新しいことであり,現在では,粘度,表面改質・添加剤・製剤製造法など製剤の加工技術そのものが医薬品の効き目に直接関与することが知られるようになった。
 以上,製剤の有するこの種の特殊性のため,他産業や新規の参入が困難になっているとともに同業他社の技術レベルがわからず業界自体の発展が阻害され,また,自社技術の継承が困難になっているといえる。本書は,医薬品製剤の製造における特異点やノウハウを可能な限り開示し,同時に,技術価値が高くオリジナリティの高い製造方法を開示した。このことによって,これらの技術を直接自社へ導入したり,あるいは,他産業からの新規参入を可能としたり,技術者の教育を行えることなどを意図したものである。
  本書は,製剤の単位操作を「粉砕・混合・造粒・乾燥・打錠・表面改質」の6工程に分類し,各工程ごとに「基礎編」と「応用編」にわけ,基礎編では各工程の全般的な記述をおこない,応用編では技術的に高度な内容について記述した。また,基礎編と応用編ともできるだけ多くの実験データを引用して一般論をさけて実用的な内容になるよう心掛けた。なお本書は『PHARM TECH JAPAN』に投稿したものを加筆してまとめたものである。
   2002年6月                                     佐川良寿


 <構成および内容>


序章  医薬品製剤について
 1.特異点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 2.法律による規制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 3.市場の監視:回収  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

第1章  粉砕操作<基礎編>
 1.粉砕の目的  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
 2.一般的な粉砕の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
  2.1 粉砕の粒度区分
  2.2 粉砕機種と砕製物粒度
  2.3 粉砕機の条件と砕製物粒度
  2.4 粉砕のコントロール
   2.4.1 砕製物粒度のバラツキ
   2.4.2 砕製物粒度のバラツキへの対処
   2.4.3 粉砕のコントロール
  2.5 解砕
   2.5.1 解砕機の選択
   2.5.2 砕料の粒度と解砕
 3.粉砕において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
  3.1 砕製物の均一性の保証
  3.2 経時変化
  3.3 収缶前後のトラブル
 4.小実験での粉砕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
 5.粉砕の理論面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
 6.バリデーションとGMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
  6.1 粒度の評価
  6.2 均一性の保証
  6.3 異物混入の防止

第2章  粉砕操作<応用編>
 1.微粉砕操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
  1.1 微粉砕とメカノケミカル特性の変化
  1.2 微粉砕に対する各種粉砕機の比較:粉砕機構と粒度分布の関係
  1.3 医薬品の生産機種としてのジェットタイプの評価
   1.3.1 実験機種(100型)による予備的評価
   1.3.2 スケールアップ実験(ジェットミル200型機)
       (1)粉砕速度の検討
       (2)砕製物の捕集
       (3)圧搾空気の浄化
  1.4 「平均粒径3μm」以下の粉砕の実現可能性  
 2.砕製物の経時変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
  2.1 実験条件
   2.1.1 粉砕
   2.1.2 錠剤の成形と硬度測定
   2.1.3  X線回析曲線
   2.1.4 示差熱分析(DTA)
  2.2 メカノケミカル特性の経時変化
  2.3 結晶の格子変化
   2.3.1 X線回析曲線
   2.3.2 示差熱分析(DTA)
  2.4 考察
 3.解砕操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
  3.1 解砕条件と粒度分布
  3.2 造粒機構と解砕条件の考察
 4.空気輸送と粉化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
  4.1 輸送管の風速とサイクロンの圧損
  4.2 輸送管の風速と顆粒の粉化
  4.3 空気との分離:粉体の場合
 5.粉砕操作の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44

第3章 混合操作:基礎編
 1.混合の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
 2.一般的な混合の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
  2.1 混合機
   2.1.1 容器回転型混合機
   2.1.2 容器固定型混合機
  2.2 装入率
  2.3 混合に影響をおよぼす粉体特性
   2.3.1 粒形
   2.3.2 粒子経
       (1)錠剤重量の偏析
       (2)SP包装のバラツキ
   2.3.3 密度(嵩比重,仮比重)
       (1)結晶と粉末との混合系
       (2)顆粒と粉末との混合系
   2.3.4 混合比率
       (1)倍散混合
       (2)色むらの防止
 3.混合において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
  3.1 デッドスペースなどの回避
  3.2 サンプリングサイズの妥当性の検証
  3.3 工程検査と半製品検査
  3.4 混合度の保証
 4.小実験での混合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
  4.1 手混合
  4.2 乳鉢混合
  4.3 小型混合機
 5.混合の理論面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
  5.1 粒子の運動軌跡
  5.2 混合曲線
  5.3 混合と分離
 6.バリデーションとGMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
  6.1 ロット構成単位としての混合
  6.2 混合度の評価
  6.3 混合のバリデーション
  6.4 サンプリング方法
  6.5 縮分混合

第4章 混合操作:応用編
 1.混合の均一性を「顆粒の粒子単位」で達成する事例 ・・・・・・・・71
  1.1 製剤の目的
  1.2 予備実験
  1.3 練合機の評価
  1.4 撹拌型混合機の評価
  1.5 均一混合の方法
  1.6 均一混合に対する考察
  1.7 究極の混合機開発のポイント
 2.滑沢剤混合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
  2.1 滑混の特殊性
  2.2 ミクロ的観察
  2.3 滑混の条件
  2.4 留意点
 3.混合操作における統計解析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81
  3.1 混合度の評価
  3.2 データ構造と評価法
   3.2.1 混合過程の再現性
      (1)対応のある2群のデータの再現性検証
      (2)対応のない2群のデータの再現性検証
      (3)3群以上のデータ(対応の有無は無関係)の再現性検証
   3.2.2 標準の検証
      (1)t-検定の場合
      (2)標準偏差を使用したカイ2乗検定の場合
   3.2.3 混合データの解析で使用する測定値の留意点
  3.3 サンプリング箇所と評価法
  3.4 混合によるバラツキの算出
 4.調剤時の粉塵飛散 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90
 5.混合操作の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92

第5章 造粒操作:基礎編
 1.造粒の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・93
 2.一般的な造粒法と造粒操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
  2.1 押出し造粒法
   2.1.1 練合液における水とエタノールの割合と顆粒特性
   2.1.2 原料粉末の比表面積と練合液量
   2.1.3 原料粉末の嵩比重と顆粒強度・練合液量
   2.1.4 コーティング用顆粒とエッジの問題
   2.1.5 付着防止とカッティング
  2.2 流動層造粒法
   2.2.1 流動層高さ
   2.2.2 スプレー液
   2.2.3 結合水と自由水
  2.3 撹拌造粒法
   2.3.1 造粒機構
   2.3.2 製錠用顆粒の造粒
   2.3.3 被覆造粒
   2.3.4 球形粒子の製造
  2.4 散剤の製造法
   2.4.1 散剤の意義
   2.4.2 製造法のポイント
   2.4.3 製造方法:混合比率が大きい場合の混合(倍散混合)
 3.造粒において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117
  3.1 3つの造粒法と造粒物の特性
  3.2 粒度の均一化
  3.3 添加する水分の過剰
  3.4 せんべいの生成
  3.5 発熱
  3.6 デッドスペース
  3.7 円筒の寿命延長化と押出し羽根:円筒寿命の延長法
  3.8 調粒時のスクリーンの形状と目詰まり:スクリーンの目詰まり防止方法
  3.9 流動層造粒における含量の均一化
  3.10 ダクトの”呼吸”現象
 4.小実験での造粒方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・123
  4.1 圧指法
  4.2 ユニグラット
  4.3 小型撹拌造粒機
 5.造粒の理論面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
  5.1 押出し造粒法
  5.2 流動層造粒法
  5.3 撹拌造粒法
 6.バリデーションと GMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125
  6.1 造粒の評価方法
  6.2 ロットの構成単位
  6.3 回収末の措置
  6.4 バッグフィルターによる異物
  6.5 バッグからの粉末消失
 7.まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・127

第6章 造粒操作<応用編>
 1.流動層造粒法による細粒剤の製造:核粒子流動層造粒法 ・・・129
  1.1 造粒の原理
  1.2 克服すべき問題点
  1.3 基剤となる核粒子
   1.3.1 原料物性の評価
   1.3.2 異物の評価
  1.4 比重差の克服
   1.4.1 流動層の高さ
   1.4.2 造粒シークエンス
   1.4.3 グラニュー糖の粒度と原料粉末の比表面積
  1.5 結合性の向上:ウェッジ水の増大(加水乾燥方式)
  1.6 その他の条件の検討
   1.6.1 スプレー範囲・角度・個数
   1.6.2 混合末の最適仕込量
   1.6.3 スプレーの液滴と液速
   1.6.4 バッグフィルターの目詰まり
  1.7 粒度と含量
  1.8 静電気対策
   1.8.1 問題点
   1.8.2 その他の対策
  1.9 ダクトへの粉塵の逸散
  1.10 核粒子流動層造粒法の実際:収率100の造粒法
 2.流動層造粒法による粒子の重質化:不連続法 ・・・・・・・・・・・・152
  2.1 基本原理
  2.2 試料と実験条件
   2.2.1 通常の流動層造粒法(連続法)
   2.2.2 乾燥型不連続法
   2.2.3 破砕型不連続法
   2.2.4 転動型不連続法
  2.3 考察
 3.ロータップ振とう試験器における機種間のバラツキと改善 ・・・・156
  3.1 機種間のバラツキ
  3.2 データ解析
  3.3 機能の統一
  3.4 篩過器の改良
 4.造粒操作の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・161

第7章 乾燥操作<基礎編>
 1.乾燥の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・163
  1.1 乾燥するほどよい場合
   1.1.1 主薬の安定性向上
   1.1.2 固着性の抑制
   1.1.3 糖衣錠のパンク抑制
   1.1.4 微生物等の繁殖抑制
  1.2 ある値以上の水分が必要な場合
   1.2.1 顆粒強度の増大
   1.2.2 錠剤硬度の増大
 2.一般的な乾燥の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・164
  2.1 通気乾燥
   2.1.1 操作手順
   2.1.2 乾燥顆粒の水分値
   2.1.3 水分のコントロール法
  2.2 流動層乾燥
   2.2.1 初期流動
   2.2.2 2次粒子の崩壊抑制
  2.3 シリカゲル乾燥
   2.3.1 シリカゲルの吸湿能力
   2.3.2 裸錠のシリカゲル乾燥
 3.乾燥において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・169
  3.1 せんべいの抑制
  3.2 有機溶媒の使用
  3.3 乾燥顆粒における殻形成
  3.4 加水による水分コントロール
   3.4.1 氷混合法
   3.4.2 流動層造粒機法
  3.5 酵素の失活
 4.小実験での方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・171
 5.乾燥の理論面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・172
  5.1 水分収支
   5.1.1 乾燥の基本原理
   5.1.2 飽和水蒸気の量
   5.1.3 空気の相対湿度
   5.1.4 湿潤物質の平衡水分
   5.1.5 実際の水分管理
  5.2 実用的な乾燥曲線
  5.3 造粒状態と乾燥
  5.4 自由水・結合水と乾燥
  5.5 有機溶媒の留去
 6.バリデーションとGMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・177
  6.1 安定性の保証と水分管理
  6.2 サンプリング箇所
   6.2.1 流動層造粒機
   6.2.2 通気乾燥機
  6.3 乾燥データの再現性検証方法
   6.3.1 GMPと再現性の検証
   6.3.2 再現性検証のデータ構造
   6.3.3 再現性の検証方法
       (1)「3回の繰り返し実験」の場合の再現性の検証
       (2)2つのデータ群の再現性と相関関係
       (3)「対応する2つのデータ群」の同一性の検証法
       (4)同一性検証法のP値とカイ2乗検定のP値との対応(「P≧0.50」を同一性?童柔?糧縦蟯霆爐箸靴榛?髻?
  6.4 水分測定法間の比較
  6.5 粉塵飛散
  6.6 残留溶媒

第8章 乾燥操作:応用編
 1.水分含有を「0」に近似させるケース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・185
  1.1 平衡水分値をコントロールする条件
   1.1.1 送風温度と平衡水分の関係
   1.1.2 仕込量と平衡水分の関係
   1.1.3 送風空気の水分量と乾燥との関係
   1.1.4 送風空気量と乾燥との関係
  1.2 固結・凝集のつよい細粒の乾燥事例:収缶温度による水分コントロール
   1.2.1 組成上の問題点
   1.2.2 水分と流動性
   1.2.3 基礎実験
   1.2.4 考察
  1.3 水分安定性の悪い細粒の安定性向上
   1.3.1 主薬の特性
   1.3.2 種々の製造法の検討
   1.3.3 流動層造粒法の選択と対策
 2.含有水分を狭い範囲に管理するケース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・195
  2.1 氷添加法
  2.2 乾燥後に加湿する方法
  2.3 一定水分値の原料を使用する方法
 3.加水乾燥法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・197
  3.1 含水率の計算
  3.2 造粒物の水分曲線の作成と加水乾燥条件
 4.円筒顆粒のエッジ除去と乾燥 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199
  4.1 乾燥曲線の比較
  4.2 乾燥顆粒の評価
  4.3 まとめ
 5.残留溶媒 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・202
  5.1 現状
   5.1.1 市販製剤の剤形と残留溶媒
   5.1.2 溶媒の使用量と残留量
   5.1.3 乾燥条件と残留量
  5.2 対策
   5.2.1 乾燥による留去
   5.2.2 水系への変更
 6.乾燥操作の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・206

第9章 打錠操作<基礎編>
 1.打錠の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・207
 2.一般的な打錠の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・207
  2.1 製錠末の水分管理とキャッピング防止
   2.1.1 氷添加法
   2.1.2 流動層造留法における水分管理
  2.2 錠剤のR面とキャッピング
  2.3 その他のキャッピング防止法
   2.3.1 充填の高さ
   2.3.2 圧縮能力
   2.3.3 結合剤量
   2.3.4 圧縮速度
   2.3.5 杵と臼のクリアランス
   2.3.6 製造末の微粉末量
  2.4 スティッキング防止
   2.4.1 打錠機の発熱とスティッキング
   2.4.2 滑沢剤の添加量とスティッキング
   2.4.3 滑剤の混合状態とスティッキング
   2.4.4 杵面のラッピングとスティッキング防止
  2.5 割れ・欠け錠:ppm単位で発生する不良品のチェック
   2.5.1 具体策
   2.5.2 割れ・欠けの原因調査
       (1)単回帰分析
       (2)重回帰分析
  2.6 結合剤
  2.7 崩壊剤
  2.8 錠剤の厚みによる錠剤重量の管理
  2.9 錠剤硬度のバラツキ
  2.10 比表面積と圧縮性
  2.11 製錠末の比表面積と錠剤の重量変動
 3.打錠において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・227
  3.1 崩壊時間と溶出速度
  3.2 打錠機温度の管理(非接触温度計)
  3.3 滑混時間
  3.4 ダイフィーダー
  3.5 錠剤の重量変動抑制:その他の方法
   3.5.1 二次ホッパーとターンテーブルのギャップ
   3.5.2 スクレーパーの形状
   3.5.3 杵と杵ホルダーの長さのバラツキ
   3.5.4 下杵軌道
  3.6 管理図法による管理と不良品の排除
  3.7 錠剤の大きさ
 4.小実験での打錠 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・231
  4.1 油圧シリンダーによる静的圧縮機
  4.2 インストロン圧縮試験機
  4.3 カム方式の単発打錠機(良塚式圧縮試験機:動的)
 5.打錠の理論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・232
  5.1 圧縮仕事量
  5.2 錠剤硬度と脆弱箇所
 6.バリデーションとGMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・233
  6.1 管理図法による管理と欠陥錠の排除
  6.2  「3σ」管理と不良品の発生:3σ法の欠点とその対策
  6.3  ppm単位の管理と経済性
  6.4  厚みによる工程管理の有用性
  6.5 細菌汚染

第10章 打錠操作<応用編>
 1.錠剤製造における湿式法と乾式法の比較 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・237
 2.打錠機の開発:補助圧縮機構 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・240
  2.1 応力緩和現象
  2.2 圧縮の3過程における応力緩和量の相違
  2.3 高速打錠機に対する補助圧縮機構の導入
 3.高速打錠への対応:2本立て杵の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・249
  3.1 基礎実験
  3.2 考察と対策
 4.打錠操作に障害を有する物質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・254
  4.1 加圧失活する物質の打錠
   4.1.1 デキストラン分解酵素
   4.1.2 対策
  4.2 低融点物質の打錠
   4.2.1 問題点
   4.2.2 対策
 5.錠剤の圧縮性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・259
  5.1 定数の算出
  5.2 圧縮性との対応
  5.3 モデルとの対応
 6.まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・263

第11章 表面改質操作<基礎編>
 1.表面改質の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・265
 2.表面改質の一般的な方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・266
  2.1 添加剤の混合によって表面改質する方法
   2.1.1 「固-固」混合
       (1)滑沢剤の添加量と錠剤の圧縮性
       (2)溶出の阻害
       (3)臭いのマスキング
       (4)臭気の除去:活性炭とシリカゲル
   2.1.2 「固-液」混合
       (1)流動層造粒における流動性と湿潤性の改善
       (2)押出し造粒顆粒の強度アップ
       (3)水分量と錠剤の圧縮性
   2.1.3 コーティング
       (1)コーティング造粒
       (2)圧縮後の錠剤の経時変化
  2.2 物理的方法による表面改質
   2.2.1 粉砕
       (1)粉砕時間と錠剤強度
       (2)粉砕と錠剤の圧縮性
       (3)粉砕と溶出曲線
       (4)粉砕と再分散性
   2.2.2 粉砕以外の物理的方法による表面改質
       (1)静電気の抑制
       (2)コンプレックスの形成
 3.表面改質において留意すべき点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・281
  3.1 最終製品の品質との関係
  3.2 バッグフィルターの目詰まり
  3.3 官能試験におけるパネラーの選別
 4.小実験での改質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・283
  4.1 混合の場合
  4.2 表面加工の場合
 5.表面改質の理論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・284
  5.1 粉末混合
  5.2 メカノケミカル
 6.バリデーションとGMP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・285
  6.1 原因と結果の因果関係
  6.2  中間品と製品の場合とリカバリー
  6.3  ノウハウと情報開示
  6.4  メカノケミカル変化などを伴う操作と製剤操作
  6.5 粒度分布の測定方法
   6.5.1 沈降天坪法
   6.5.2 ブレーン法

第12章 表面改質操作<応用編>
 1.混合粉砕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・291
  1.1 混合粉砕と錠剤硬度
   1.1.1 混合砕製物と粉砕混合物の比較
   1.1.2 混合粉砕の効果に対する考察
   1.1.3 実機のジェットミルの適用
   1.1.4 X線解析曲線の比較
  1.2 混合粉砕と崩壊時間の延長;徐放性製剤
   1.2.1 粉砕時間と崩壊時間
   1.2.2 崩壊剤添加量と崩壊時間
   1.2.3 まとめ
 2.難溶性薬物の溶出改善方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・298
  2.1 界面活性剤を使用する場合
  2.2 造粒法の検討
  2.3 混合粉砕する場合
  2.4 まとめ
 3.細粒剤の水分散性の改善 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・301
  3.1 基本組成
  3.2 溶解性
  3.3 抗ケーキング(分散剤)
  3.4 消泡剤 
 4.天然色素「β-カロチン」の実用化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・303
  4.1 β-カロチン製剤
  4.2 色調のアップと製造条件
  4.3 安定性アップ
   4.3.1 アスコルビン酸の増量
   4.3.2 小麦でんぷんの添加
   4.3.3 まとめ
 5.味の熟成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・307
  5.1 基本組成の決定
   5.1.1 2成分系の相乗効果
   5.1.2 組成比率の決定
  5.2 熟成化の試み
  5.3 官能テストによる開発システム
   5.3.1 パネラーの評価・選別方法
       (1)評価の意義
       (2)評価方法:スピアマンの順位相関
       (3)「臭覚」に対するパネラーの評価実験
 6.表面改質操作の今後 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・321

内容説明

本書は製剤の単位操作を「粉砕・混合・造粒・乾燥・打錠・表面改質」の6工程に分類し、各工程ごとに「基礎編」と「応用編」にわけ、基礎編では各工程の全般的な記述を行い、応用編では技術的に高度な内容について記述したものである。

目次

医薬品製剤について
粉砕操作(基礎編;応用編)
混合操作(基礎編;応用編)
造粒操作(基礎編;応用編)
乾燥操作(基礎編;応用編)
打錠操作(基礎編;応用編)
表面改質操作(基礎編;応用編)

著者等紹介

佐川良寿[サガワヨシヒサ]
1965年京都大学薬学部(薬剤学教室)卒業。同年、塩野義製薬(株)に入社。入社後、一貫して研究開発に従事し、製剤の新技術と製造法の開発、製造標準の設定、製剤設計などを担当。1985年バイエル薬品(株)に入社、工場管理・QC活動・統計手法の応用などを担当。現在、技術系コンサルタント(神戸経営プラン(株)代表取締役、薬剤師・薬学博士)。論文・学会発表・特許多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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