生分解性ケミカルスとプラスチック

生分解性ケミカルスとプラスチック

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  • サイズ B5判/ページ数 255p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882312703
  • Cコード C3043

出版社内容情報

☆界面活性剤, キレート剤など様々な生分解性ファインケミカルスを解説!
☆様々な素材から作られる生分解性プラスチックを網羅!
☆製法,生分解性,従来品との比較,将来展望などを詳述!



  刊行のねらい

 生分解性プラスチックはポリ乳酸, 脂肪族ポリエステル, デンプン系, セルロース系など各社が製品化し,世界で 25,000tの市場を形成している。 一方, 界面活性剤,キレート剤などのファインケミカルスもヨーロッパを中心に生分解性が求められ, 各種の生分解性製品が上市されている。 生分解性素材の製造は, 化学合成,天然物誘導, 発酵合成 (バイオプラスチック) など様々な手法がある。 本書は, ファインケミカルスからプラスチックに亘る生分解性素材の開発動向を各分野の第一線でご活躍中の方々にご執筆いただいた。

  執筆者一覧 (執筆順)
冨田耕右   関東学院大学 工学部 教授
菊池克明   三菱レイヨン 化成品開発研究所
安齋竜一   三菱レイヨン 化成品開発研究所
田中勝彦   三菱レイヨン 化成品事業部
齋藤 信    昭和電工 川崎工場
山本 徹    昭和電工 川崎工場
福田 寛    昭和電工 化学品事業部門
松岡清成   ビーエーエスエフジャパン 特殊化学品本部
向山恒冶   ライオン ファブリックケア研究所
斎藤 清    昭和高分子 石油化学総括部
伊藤正則   ダイセル化学工業 企画開発本部
伊藤 宏    日本触媒 機能開発研究所
桑原英樹   JSP 第二事業部
小原仁実   島津製作所 基盤技術研究所
福島 武   日本製鋼所 研究開発本部
炭廣幸広   日本製鋼所 研究開発本部
小柳邦彦   日本製鋼所 研究開発本部
橋本憲明   日鋼設計
酒井忠基   日本製鋼所 経営戦略室
上倉正雄   大日本インキ化学工業 総合研究所
石川英樹   シンワ 営業開発部
望月政嗣   ユニチカ 技術開発企画室
高桑恭平   三菱ガス化学 総合研究所
辻 正男    クラレ 構造解析センター
岩崎廣司   王子製袋 物流資材販売部
渡部乙比古 味の素 アミノサイエンス研究所
石野良明   三島製紙 開発研究所
寺部 亮    アイセロ化学 マーケティング本部
石徳 武    三井化学 合成化学研究所
小屋敷 修   ノボン・ジャパン 代表取締役
冨山 績    ノボン・ジャパン 製造技術担当

  構成および内容
■総論編

第1章 有機化合物の生分解性                 冨田耕右
1 生分解における酵素と微生物, 低分子物質と高分子物質の関係
2 C-C 結合の分解
3 エーテル結合の分解
4 エステル結合の分解
5 アミド結合の分解

第2章 ファインケミカルスやプラスチックを指向した生分解性素材の開発動向
1 生分解性ファインケミカルス                   冨田耕右
2 生分解性プラスチック                                        

■生分解性ファインケミカルス編
第3章 アスパラギン酸系キレート剤     菊池克明, 安齋竜一, 田中勝彦
1 開発の背景
2 モノアミン系生分解性キレート剤 ASDA
3 ASDA の特徴
4 ASDA の応用
5 ジアミン系生分解性キレート剤 S,S EDDS
6 S,S EDDS の特徴
7 S,S EDDS の応用
8 今後の展望

第4章 グルタミン酸系キレート剤 
 ~生分解性キレート剤グルタミン酸二酢酸 (GLDA) の開発と応用~
1 GLDA の開発経緯                 齋藤 信, 山本 徹, 福田 寛
2 生分解性キレート剤 GLDA の特徴
3 GLDA の応用
4 今後の展望                           


第5章 メチルグリシン系キレート剤          松岡清成
1 MGDA の開発
2 MGDA の特性
3 応用分野

第6章 α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩    向山恒治
1 α-SF の原料及び製法
2 α-SF の生分解性
3 α-SF の洗浄挙動
4 コンパクト洗剤への応用

■生分解性プラスチック編
第7章 脂肪族ポリエステル (Ⅰ)           斎藤 清
1 脂肪族ポリエステル 「ビオノーレ」 の構造と特徴
2 脂肪族ポリエステル 「ビオノーレ」 の基礎特性
3 「ビオノーレ」 の応用例及び今後の展望

第8章 脂肪族ポリエステル (Ⅱ)
 ~ポリカプロラクトン系生分解性プラスチック~     伊藤正則
1 セルグリーン P H (CELGREEN◯R P-H)
2 セルグリーン P H の品番と一般性状
3 セルグリーン P H, P HB の物性
4 セルグリーン P H の動的粘弾性と熱的挙動
5 セルグリーン P H7の溶解性
6 セルグリーン P H7の各種樹脂との相溶性
7 セルグリーン P H, HB の生分解性
8 セルグリーン P H の取り扱い上の注意及び安全性
9 PCL を利用した生分解性プラスチック
10 生分解性を利用したその他の用途
11 今後の展望

第9章 脂肪族ポリエステル(Ⅲ)
 ~ポリエチレンサクシネート "ルナーレ◯R SE" の開発~  伊藤 宏
1 ユニークでシンプルな製造プロセス
2 ルナーレ SE の基本的な物性
3 ルナーレ SE の成形加工性と実用物性
4 ルナーレ SE の各種条件下での生分解性
5 今後の展開

第10章 脂肪族ポリエステル緩衝剤            桑原英樹
1 グリーンブロックの特徴
2 生分解性
3 焼却性
4 物性
5 耐油・耐薬品性
6 熱的特性
7 緩衝特性

第11章 ポリ乳酸(Ⅰ)                     小原仁実
1 工業用乳酸発酵
2 乳酸発酵の原料
3 グリーンケミストリーとポリ乳酸
4 ポリ乳酸の結晶性
5 ポリ乳酸の製造法
6 ポリ乳酸の物性
7 ポリ乳酸の用途と分解性
8 ポリ乳酸のリサイクル

第12章 ポリ乳酸(Ⅱ)              福島 武, 炭廣幸広, 小柳邦彦, 橋本憲明, 酒井忠基
1 ポリ乳酸の重合方法および装置
2 直接重縮合に用いる触媒の選定
3 直接重縮合に用いる溶媒の選抜
4 直接重縮合と開環重合から得られたポリ乳酸の比較
5 ポリマーの高分子量化反応メカニズム

第13章 乳酸系グリーンプラ CPLA~開発と応用~     上倉正雄
1 CPLA の特徴
2 CPLA の製造プロセス
3 CPLA の成形加工及び用途展開

第14章 ポリ乳酸不織布                       石川英樹
1 ポリ乳酸樹脂 (繊維) の特長
2 生分解性スパンボンド不織布 (Haibon) の特徴
3 生分解性スパンボンド (Haibon) の用途 (日本国内)

第15章 ポリ乳酸繊維                         望月政嗣
1 ポリ乳酸繊維の歴史
2 ポリ乳酸繊維の製糸性と一般的性質
3 ポリ乳酸繊維の環境分解特性
4 ポリ乳酸の生分解機構
5 ポリ乳酸繊維・不織布の分類と特徴
6 ポリ乳酸繊維・不織布の用途展開

第16章 ポリ乳酸フィルム                       望月政嗣
1 高分子材料化学におけるパラダイムシフト
2 ポリ乳酸フィルム・シートの特徴
3 ポリ乳酸フィルム・シート 「テラマック」 の特長と応用
4 「テラマック」 の環境分解特性
5 「テラマック」 フィルム・シートの用途展開

第17章 脂肪族ポリエステルカーボネート            高桑恭平
1 開発の経緯
2 各種生分解性プラスチックとポリエステルカーボネートの特徴
3 性能と加工性
4 生分解性および安全性
5 応用と用途

第18章 ポリビニルアルコール                   辻 正男
1 文献にみる PVA の生分解
2 生分解性の評価方法
3 PVA の部分分子構造と PVA DHase 活性の相関
4 新規 PVA 系合成高分子の開発

第19章 生分解性緩衝材 「エコ・フォーム」           岩崎廣司
1 「エコ・フォーム」 の生分解性
2 「エコ・フォーム」 の開発
3 「エコ・フォーム」 の特徴
4 LCA 的考察
5 「エコ・フォーム」 の製造方法
6 用途開発と今後の展開

第20章 バクテリアセルロース                   渡部乙比古
1 構造の特徴
2 バクテリアセルロースの生産と加工
3 ゲル状バクテリアセルロースの機能と利用
4 加工したものの物性と利用
5 バクテリアセルロースの生分解性

第21章 セルロースエステル ~セルグリーン P-CA~   伊藤正則
1 セルグリーン P-CA について
2 樹脂性能と成形加工性
3 セルグリーンP-CA の生分解性

第22章 紙/合成ポリマー                      石野良明
1 生分解性混抄紙の製造法と物性
2 生分解性混抄紙の生分解性
3 生分解性混抄紙開発品と応用分野
4 生分解性フィルムラミネート紙の製法と物性
5 生分解性フィルムラミネート紙の生分解性
6 ラミネート紙開発品と応用分野
7 今後の展望と課題

第23章 ポリアミノ酸系ポリマー                  入里義広, 石徳 武
1 吸水性ポリマー
2 紙おむつについて
3 生分解性紙おむつ
4 生分解性吸水性ポリマー
5 ポリアミノ酸
6 ポリアスパラギン酸
7 架橋ポリアミノ酸
8 今後の課題

第24章 生分解誘発添加剤                    小屋敷 修, 冨山 績
1 分解性プラスチックの必要性
2 分解性プラスチックの一般的定義とデグラ・ノボン添加剤
3 デグラ・ノボン添加剤の使用事例から見た市場性&将来性
4 日本におけるコンポスト化 (堆肥化)
5 デグラ・ノボン添加剤とその混合樹脂
6 デグラ・ノボン製プラスチックの強度特性並びに安定性
7 デグラ・ノボン添加剤による分解機構

内容説明

本書は、急速に発展しつつある生分解性ケミカルスとプラスチックにつき、その開発の現状、特に実用化されつつある新素材を中心に、その特性、技術上の特徴、将来の展望などについて解説したものである。生分解性素材の観点からファインケミカルスとプラスチックの両者を総合的・網羅的に捉えたもので、類書とは異なる特色ある書となっている。

目次

1 総論編(化学結合からみた有機化合物の生分解性;ファインケミカルスやプラスチックを指向した生分解性素材の開発動向)
2 生分解性ファインケミカルス編(アスパラギン酸系キレート剤;グルタミン酸系キレート剤;メチルグリシン系キレート剤;α‐スルホ脂肪酸メチルエステル塩)
3 生分解性プラスチック編(脂肪族ポリエステル;脂肪族ポリエステル緩衝材;ポリ乳酸;乳酸系グリーンプラCPLA;ポリ乳酸不織布 ほか)

著者等紹介

冨田耕右[トミタコウユウ]
関東学院大学工学部工業化学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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