出版社内容情報
構成および内容
第1章 序 論 由井伸彦、寺野 稔
第2章 自己組織化ポリマー表面の解析
1 吸着水からみたポリマー表面の解析 草薙 浩
1.1 はじめに
1.2 分光法による高分子中の水の構造分析
1.2.1 赤外からみた高分子と水との相互作用の強さ
1.2.2 NMRからみた高分子中の水の運動性
1.2.3 相互作用の強さと運動性
1.3 ポリマーモデル化合物と水分子との相互作用の量子化学計算
1.3.1 孤立系モデルによる計算
1.3.2 表面とバルクモデルの計算
1.4 高分子中の水の構造と物性変化
1.5 おわりに
2 超音波顕微鏡によるポリマー表面の解析 石川 潔、新田晃平
2.1 はじめに
2.2 超音波顕微鏡の概要
2.3 超音波顕微鏡による高分子材料の観察
2.3.1 表面観察
2.3.2 粒子分散系プラスチック複合材料の評価
2.3.3 繊維強化プラスチック複合材料の評価
2.3.4 結晶性高分子材料の内部観察
2.3.5 微小領域の音響インピーダンスの測定
2.4 おわりに
3 赤外分光法による高分子材料のデプスプロファイル 西岡利勝
3.1 顕微赤外分光法による塗装界面の相互作用の解析
3.1.1 緒言
3.1.2 実験
3.1.3 結果及び考察
3.1.4 結論
3.2 ラミネートフィルムの滑り性低下機構の解析
3.2.1 緒言
3.2.2 実験
3.2.3 結果及び考察
3.2.4 結論
4 透過型電子顕微鏡による表層部断面観察 千秋和久
4.1 はじめに
4.2 試料調整法1(乾燥条件下における膜表面の観察)
4.3 試料調整法2(水和状態での表面構造)
4.4 試料調整法3(その他の染色剤)
4.5 親水性‐疎水性ブロック共重合体の表面構造と環境変化に応答した表面構造再構築
4.6 まとめ
第3章 多成分系ポリマー表面の自己組織化
1 高分子表面における精密構造化 松田武久
2 デンドリマーの超分子組織化を基盤とする機能材料の分子設計 青井啓悟、岡田鉦彦
2.1 はじめに
2.2 デンドリマーの特徴
2.3 デンドリマーに基づく超分子組織体の設計概念
2.4 分子認識能をもつデンドリマーの精密合成と自己組織化
2.5 球状頭部/線状尾部からなるtadpole型新規ブロック共重合体の精密合成と自己組 織化
2.6 表面ブロック型デンドリマーの合成法の開拓と分子集合体形成
2.7 両親媒性ツインデンドリマーの設計
2.8 超分子球状素構造のサイズ制御
2.9 球状素構造による新しい「ナノ環境」
2.10 おわりに
3 ポリウレタン系グラフト共重合体の表面形成と環境応答 手塚育志
3.1 はじめに
3.2 マクロモノマー法によるポリウレタン系グラフト共重合体の合成
3.3 ポリウレタン系グラフト共重合体の表面形成
3.4 ポリウレタン系グラフト共重合体表面の環境応答
3.5 3成分グラフト共重合体による表面設計
3.6 おわりに
4 アラミド・シリコーン・マルチブロック共重合体の表面特性 岸田晶夫、明石 満
4.1 はじめに
4.2 PASの合成
4.3 PASキャストフィルムの表面及びバルク構造の解析
4.4 熱処理の影響
4.4.1 DSCによる検討
4.4.2 バルク分析
4.4.3 表面分析
4.5 表面特性に及ぼすキャスト溶媒の効果
4.5.1 バルク分析
4.5.2 表面分析
4.6 まとめ
5 乳酸系ポリマーの表面修飾と自己組織化 山岡哲二、木村良晴
5.1 はじめに
5.2 ポリ乳酸の化学修飾と組織・細胞親和性表面の構築
5.2.1 ポリ乳酸側鎖への官能基の導入と細胞接着因子による表面修飾
5.2.2 PLLAの表面反応による組織・細胞親和性の付与
5.3 ポリ乳酸‐ポリエーテルブロック共重合体の自己組織化
5.3.1 ポリ乳酸‐ポリエーテルブロック共重合体の合成
5.3.2 ポリ乳酸‐ポリエーテルブロック共重合体ナノカプセル・ナノ粒子
5.3.3 ポリ乳酸‐ポリエーテルブロック共重合体マトリックスの応用
6 エチレン‐ビニルアルコール共重合体の表面特性とその機能膜への応用 中前勝彦
6.1 はじめに
6.2 エチレン‐ビニルアルコール共重合体の結晶構造と表面物性
6.3 EVA膜の表面構造の制御と機能化
6.4 OH基を利用した触媒固定膜に関する応用例
7 光応答性表面分子膜の設計と機能 関 隆広
7.1 はじめに
7.2 水面単分子膜の光応答形態変化
7.3 固体基板上での界面膜の光誘起形態変化
7.4 表面レリーフグレーティングの形成
7.5 単分子膜による分子組織状態の光制御
7.6 おわりに
第4章 結晶性ポリマー表面の自己組織化
1 結晶性高分子表面の電子顕微鏡による観察 甲本忠史
1.1 はじめに
1.1.1 高分子の結晶化と高次構造形成
1.1.2 共重合体、ブレンド物等の構造形成
1.1.3 高分子結晶の表面
1.2 重合結晶化物
1.3 高分子単結晶
1.4 バルク結晶化物
1.4.1 表面観察
1.4.2 内部観察
1.5 高分子摩擦表面
1.6 おわりに
2 二軸延伸PPフィルムの表面構造と物性 正田 勲
2.1 緒言
2.2 実験
2.2.1 BOPPフィルムの作製
2.2.2 フィルム物性の測定
2.2.3 光散乱測定
2.2.4 表面形態観察
2.3 結果と考察
2.3.1 透視性
2.3.2 耐ブロッキング性
2.4 結論
3 動的粘弾性測定によるポリプロピレンシートの表面解析 新田晃平、寺野 稔
3.1 緒言
3.2 原理
3.3 解析例
3.3.1 試料
3.3.2 動的粘弾性測定結果
3.3.3 解析結果と考察
3.4 終言
第5章 自己組織化ポリマー表面の応用
1 血液適合性ポリプロピレン表面 川本尚史、由井伸彦、寺野 稔
1.1 はじめに
1.2 医用材料としてのポリプロピレンの現状と可能性
1.3 材料表面における血栓形成反応
1.4 ポリプロピレンの表面層構造
1.5 ポリプロピレン表面の物理化学的特性
1.6 ポリプロピレン表面への血漿タンパク質の吸着とその抑制機構
1.7 ポリプロピレン表面における血小板活性化の抑制
1.8 優れた血液適合性が獲得でる可能性
1.9 おわりに
2 フラクタル表面‐超撥水/撥油材料への応用‐ 辻井 薫
2.1 はじめに
2.2 複雑さの定量的表現としてのフラクタル次元
2.3 フラクタル構造と固体表面の濡れ
2.3.1 濡れを決める2つの因子
2.3.2 フラクタル表面の濡れ
2.4 超撥水/撥油表面の実現
2.4.1 アルキルケテンダイマー(AKD)の超撥水表面
2.4.2 AKDフラクタル表面を使った理論の検証
2.4.3 超撥油表面の実現
2.5 フラクタル表面の自己組織的形成と設計
2.6 おわりに
3 星型ポリマー塗料 桑野一幸
3.1 はじめに
3.2 塗料ハイソリッド化の原理
3.3 星型ポリマーの合成
3.3.1 合成方法
3.3.2 合成結果
3.4 合成星型ポリマーを用いた溶液粘度測定と塗料のハイソリッド耐候性
3.5 星型ポリマーの耐候性
3.5.1 耐候性試験と劣化解析
3.5.2 劣化メカニズム解明と耐候性向上手法
4 化学増幅型レジスト 亀山泰弘
4.1 はじめに
4.2 化学増幅ポジ型レジスト
4.3 化学増幅ネガ型レジスト
4.4 化学増幅レジストの問題点
4.5 化学増幅レジストの高解像力化
4.6 ArFエキシマーレジスト
4.7 おわりに
5 グラフト共重合体を用いた表面改質 青山真人
5.1 はじめに
5.2 撥水性付与グラフト共重合体と親水性付与グラフト共重合体
5.3 類似の考え方に基づく他の改質例
5.4 帯電防止剤
5.5 帯電防止剤と撥水化剤の併用
6 高屈折率/低屈折率複合体 本多 卓
6.1 はじめに
6.2 作製方法と相分離構造
6.2.1 原料樹脂組成物
6.2.2 正面散乱型
6.2.3 斜め散乱型作製方法
6.3 相分離構造形成機構
6.3.1 屈折率変調型ホログラムの形成機構
6.3.2 LCF作成時の照射光強度分布
6.3.3 LCF相分離構造形成速度
6.3.4 LCF相分離構造形成機構
6.4 応用分野
6.4.1 LCD視野角拡大フィルム
6.5 おわりに
7 温度応答型表面による細胞培養制御 菊池明彦、岡野光夫
7.1 はじめに
7.2 ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)(PIPAAm)の温度応答特性とそのバイ オメディカル分野への応用
7.3 PIPAAm修飾表面の培養細胞の回収システムへの応用
7.4 PIPAAm表面で培養した細胞シートの二次元マニピュレーション
7.5 結語
内容説明
本書では、自己組織化ポリマーを取り上げるにあたり、特にその表面の設計と機能に注目して構成した。具体的には、とりわけ自己組織化が期待される表面として、多成分系および結晶性ポリマーに着目して編集した。
目次
第1章 序論
第2章 自己組織化ポリマー表面の解析
第3章 多成分系ポリマー表面の自己組織化
第4章 結晶性ポリマー表面の自己組織化
第5章 自己組織化ポリマー表面の応用