出版社内容情報
構成および内容
〈総論・基礎理論編〉
第1章 インクジェットプリンターの現状と今後
甘利武司
1 インクジェットプリンターの分類
2 プリンターヘッドとインク滴形成
3 ジェットインク
4 記録用紙
5 特殊なインクジェット記録
6 今後の予測
第2章 希薄コロイド系の化学 古澤邦夫
1 コロイドの定義と分類
2 コロイド分散系の特性
3 電気二重層の性質
4 動電現象とゼータ電位
5 DLVO理論と分散・凝集
6 高分子の吸着と分散・凝集作用
第3章 希薄分散系のレオロジー 甘利武司
1 レオロジーとは
2 粘性と弾性
3 粘弾性
4 希薄分散系レオロジーの特徴
5 希薄分散系のレオロジー測定
第4章 インクジェットの飛翔特性 松尾一壽
1 インクジェット飛翔
2 インクジェット飛翔の観測
第5章 記録用紙とインクの浸透特性 空閑重則
1 紙の構造と顔料塗工の役割
2 インクジェットにおける受容層の役割
3 紙への液体浸透とサイズ度の評価
4 動的走査吸液計による液体吸収性の評価
5 表面の走査電顕観察
第6章 インクジェット記録における印字適性
甘利武司
1 インクの浸透の解析・評価
2 インク浸透とパーコレーション理論
3 紙の性質とインクの浸透
4 印字パターンの量的評価
〈プリンター編〉
第7章 サーマルジェットプリンター 吉村 茂
(バブルジェットプリンタ)
1 BJの原理
2 ヘッドの加工
3 インクの供給
4 本体の差別化
5 キャリッジ送り
6 紙送り
7 モーターの制御
8 回復系
9 環境への適応性
第8章 ピエゾ方式インクジェットプリンター
(MACH-JETプリンタ) 碓井 稔
1 インクジェット記録方式の特徴
2 信頼性,耐久性の確保
3 MACH方式の特徴
4 インクの開発
5 インクカートリッジの開発
6
記録メディアの開発
第9章 ソリッドインクジェット・プリンター
福田 隆
1 ソリッドインクジェット・プリンターとは
2 各エンジン方式の比較
3 ソリッドインクジェット・カラープリンター
4 ソリッドインクジェットの将来性
第10章 ERFインクジェットプリンター 清弘智明
1 ER流体
2 ERFインクジェット
3 ERFインクジェットの原理
4 インキ流路およびインキ粘度の理論検討
5 交流電界特性
6 ER流体インキの応答特性
7 流量解析
8 噴出インキ流量の測定と解析結果
第11章 プルーフ用プリンター 武藤正行
1 ディジタルプルーファーに要求される特性
2 記録原理と描画性能
3 ディジタルカラープルーファーSRjet
4 高画質化と安定化のための主要技術
第12章 ワイドフォーマットプリンター 門池文武
1 大判カラーインクジェットプリンター印刷システムの開発動向
2 大判カラーインクジェットプリンター印刷システムの利用状況
第13章 産業用マーキングプリンター
(帯電制御式インクジェットプリンター) 山口和治
1 帯電制御式インクジェットプリンターの原理
2 マーキングのための基本構成
3 産業用インクジェットプリンターの用途
4 産業用インクジェットプリンターの性能・機能および技術動向
第14章 捺染用プリンター 加藤孝行,若杉雄司
1 捺染と印刷
2 捺染用インクジェットプリントシステムの例
3 本システムの主要技術
第15章 インクジェット記録ヘッド 三浦眞芳
1 各種インクジェット方式
2 インクジェット関連技術の動向
3 インクジェットの工業応用
〈インク編〉
第16章 インクジェット記録用水性インク 田林 勲
1 インクに要求される特性
2 インクの物性
3 インク組成
4 インクの製造方法
5 インクの安全性と環境への影響
第17章 インクジェット記録用油性インク シーエムシー編集部
1 油溶性染料
2 特定油溶性染料とインク組成
3 一般油溶性染料とインク組成
4 顔料インク
5 インクの製造
第18章 インクジェット記録用ソリッドインク 前川 勉,佐川明美,角田 敦
1 転写記録方式のインク
2 顔料を色材としたインク
3 刷版装置への利用
4 今後の方向
第19章 インクジェットインク用染料 山口義和
1 水溶性染料と公開特許の動き
2 水溶性染料の分類と特徴
3 ブラック系水溶性染料
4 マゼンタ系水溶性染料
5 シアン系水溶性染料
第20章 インクジェット用顔料 佐藤俊之,大嶋明博
1 インクジェット用顔料
2 顔料の分散機構
3 インクジェット用水系顔料インクの開発動向
4 今後の顔料タイプ着色剤の展開
〈用紙・記録材料編〉
第21章 インクジェット記録用コート紙 千賀孝雄
1 紙ベースのインクジェット塗工紙の設計
2 紙ベースの光沢塗工紙
3 最近の開発動向と今後の展開
第22章 インクジェット記録用光沢紙 斎藤洋一
1 光沢紙に要求される特性
2 光沢紙の区分
3 膨潤型光沢紙
4 空隙型光沢紙
5 フォトジェットペーパー・フォトライクQPの技術と特長
第23章 インクジェット記録用媒体 松原俊哉
-アルミナ微粒子を中心に-
1 ピクトリコの構造と特性
2 ピクトリコ印刷物の特徴
第24章 インクジェット用紙用顔料 近藤雅弘
1 インクジェット専用紙
2 非晶質合成シリカ
3 シリカのスラリー特性
4 シリカの吸液特性
5 コート層の表面強度とシリカの粉体物性
6 保存性とシリカの粉体物性
7 写真画質インクジェット紙用顔料
第25章 インクジェット用紙用サイズ剤 岩室義之
1 表面サイズ
2 インクジェット印刷用のサイズ剤の懸念
3 インクジェット印刷適性
内容説明
現在インクジェットプリンターは個人使用のプリンターとしての王座を占めている。科学技術の更なる発展が期待される21世紀において、インクジェットプリンター技術もそれ相応の発展が期待される。日進月歩の技術革新に適応するには、それぞれの分野における技術の発展の経緯を体系化し、基盤となる基礎科学を十分理解しておく必要がある。そのような背景を考慮しつつまとめられた本書は基礎理論編、プリンター編、インク編、用紙・記録材料編からなり、それぞれの分野で活躍している科学者、技術者が執筆したものである。
目次
総論・基礎理論編(インクジェットプリンターの現状と今後;希薄コロイド系の化学;希薄分散系のレオロジー ほか)
プリンター編(サーマルジェットプリンター(バブルジェットプリンタ)
ピエゾ方式インクジェットプリンター(MACH‐JETプリンタ)
ソリッドインクジェット・プリンター ほか)
インク編(インクジェット記録用水性インク;インクジェット記録用油性インク;インクジェット記録用ソリッドインク ほか)
用紙・記録材料編(インクジェット記録用コート紙;インクジェット記録用光沢紙;インクジェット記録用媒体―アルミナ微粒子を中心に ほか)