出版社内容情報
刊行のねらい
紫外線(UV)、電子線(EB)照射による表面処理加工技術は、1980年後半に入り、それまでの①速硬性による生産性の向上、②省資源・省エネルギー、③労働安全性の高さなどのメリットに加え、外観性、耐摩耗性などの評価が高まり、製品の高機能化、高性能化のための技術として幅広い分野で本格的な普及が始まった。
本書はUV・EB硬化技術について、材料開発、硬化装置、応用展開について、配分例など一部含め基礎から応用展開まで幅広くまとめた。
執筆者一覧(執筆順)
(所属・肩書は1989年当時のものです。)
田畑 米穂 東海大学 工学部;ラドテック研究会 会長
大井 吉晴 日本化薬(株)機能製品事業部
実松 徹司 東亜合成化学工業(株)研究所
柴田 讓治 昭和高分子(株)東京研究所
五十嵐勝利 日本合成ゴム(株)研究開発グループ
大庭 敏夫 信越化学工業(株)シリコーン電子材料技術研究所
中村 茂 日曹化成(株)生産技術研究所
西久保忠臣 神奈川大学 工学部
滝本 靖之 日本ペイント(株)中央研究所
伊達 宏和 通商産業省 工業技術院
福井 啓二 ウシオ電機(株)システム事業部
坂本 勇 日新ハイボルテージ(株)
芦田 義孝 日本電池(株)照明事業部
青才 文人 三菱レイヨン(株)商品開発研究所
佐藤 三男 三菱レイヨン(株)商品開発研究所
榛田 善行 日本合成ゴム(株)電子材料事業部
林 信行 日立化成工業(株)茨城研究所
永井 透 ソニー(株)中央研究所
瀬戸 順悦 ソニー(株)中央研究所
串 憲治 三菱レイヨン(株)中央研究所
新本 雅樹 三菱レイヨン(株)商品開発研究所
根本 雄平 大日本インキ化学工業(株)記録材料事業部
森 光 大日精化工業(株)開発事業部
石原 直 日本ペイント(株)第一塗料事業部
松本 竹男 日本油脂(株)筑波研究所
増原 憲一 日新製鋼(株)新材料研究所
新井 哲三 住友金属工業(株)研究開発本部
住吉 岩夫 日本ペイント(株)第一塗料事業部
飯田 高三 関西ペイント(株)技術研究所
沢井 健 東京都立アイソトープ総合研究所 研究室
◆構成および内容◆
■第1章 総論 (田畑 米穂)
■第2章 材料開発の動向
1.アクリル系オリゴマー・モノマー
1.1 アクリレートモノマー (大井 吉晴)
1.1.1 はじめに
1.1.2 化審法新規告示物質に登録されたモノマー
1.1.3 単官能アクリレート
1.1.4 単官能モノマーの接着性
1.1.5 多官能アクリレート
1.1.6 多官能アクリレートの硬化法
1.2 ポリエステルアクリレート (実松 徹司)
1.2.1 ポリエステルアクリレートの種類と特徴
1.2.2 ポリエステルアクリレートの応用
1.3 エポキシアクリレート (柴田 讓治)
1.4 ウレタンアクリレート (五十嵐勝利)
1.5 シリコーンアクリレート (大庭 敏夫)
1.6 ポリブタジエンアクリレート (中村 茂)
1.6.1 液状ポリブタジエン
1.6.2 液状ポリブタジエンアクリレート
1.6.3 液状水素化1,2ポリブタジエンアクリレート
1.6.4 液状ポリブタジエンアクリレートの応用
2.非アクリル系オリゴマー・モノマー (西久保忠臣)
2.1 光マイケル付加型(ポリエチレン‐チオール系)オリゴマー
2.2 光カチオン重合型(エポキシおよびビニルエーテル系)オリゴマー
2.3 新しい光硬化性オリゴマー
3.光重合開始剤 (滝本 靖之)
3.1 はじめに
3.2 ラジカル重合開始剤
3.2.1 直接開裂型
3.2.2 水素引抜き型
3.2.3 各種光重合開始剤のモノマー硬化性
3.2.4 光ラジカル重合の酸素による阻害防止
3.3 複合型ラジカル重合開始剤
3.3.1 電子供与性分子励起の例
3.3.2 電子吸引型分子励起の例
3.4 カオチン重合開始剤
3.4.1 結合開裂型
3.4.2 有機金属化合物
■第3章 化審法に基づく試験と審査について
1.化審法の制定経緯と改正 (伊達 宏和)
2.試験方法と評価
2.1 分解性
2.2 蓄積性
2.3 長期毒性の疑い
2.4 その他
3.化審法の適用関係について
3.1 製品と化学物質の区分
3.2 化学反応の定義
■第4章 硬化装置の最近の進歩
1.紫外線硬化装置
1.1 紫外線とは (福井 啓二)
1.2 紫外線発生光源
1.2.1 水銀灯の発光スペクトル
1.2.2 紫外線放射のメカニズム
1.3 紫外線(UV)硬化装置
1.3.1 UVランプ
1.3.2 冷却装置
1.3.3 照射灯具
1.3.4 電源制御装置
1.4 UV硬化システム導入のポイント
1.4.1 ランプの選定
1.4.2 照射装置構造の選定
2.電子線硬化装置
2.1 はじめに (坂本 勇)
2.2 電子線硬化装置の利用の歴史と現状
2.3 電子線硬化装置の種類と構造、定格選定
2.3.1 非走査形電子線硬化装置
2.3.2 走査形電子線硬化装置
2.3.3 装置の定格選定
2.4 今後の動向
3.エキシマレーザー照射装置 (芦田 義孝)
3.1 はじめに
3.2 エキシマレーザーの原理
3.3 エキシマレーザーの発振波長
3.4 エキシマレーザーの特徴
3.4.1 短波長性
3.4.2 単色性
3.4.3 短パルス性
3.4.4 高強度
3.4.5 指向性
3.5 エキシマレーザー装置
3.6 UV硬化材料へのエキシマレーザーの応用
3.6.1 感光性樹脂凸版の光硬化
3.6.2 プリント基板用フォトポリマーの硬化
3.6.3 ポリマーコートのキュアリング
3.6.4 レーザー光走査による立体形状物作製
■第5章 最近の応用開発の動向
1.自動車部品 (青才 文人)
1.1 ヘッドランプのハードコート処理
1.1.1 はじめに
1.1.2 ヘッドランプのプラスチック化
1.1.3 ポリカーボネット(PC)ヘッドランプ
1.1.4 PC用保護コート
1.1.5 紫外線硬化型ハードコート
1.2 ヘッドランプリフレクターのアルミ蒸着加工
1.2.1 はじめに (佐藤 三男)
1.2.2 ヘッドランプリフレクターのプラスチック化
1.2.3 ヘッドランプリフレクターの光輝処理
2.電気・電子部品
2.1 半導体用レジスト (榛田 善行)
2.1.1 はじめに
2.1.2 線源と解像度
2.1.3 g線レジスト
2.1.4 i線レジスト
2.1.5 エキシマレジスト
2.1.6 多層レジスト系
2.2 プリント配線板用 (林 信行)
2.2.1 はじめに
2.2.2 感光性フイルム
(1)感光性フイルムの構成とレジスト形成方法
(2)感光性フイルムの種類
(3)感光性フイルムの特性
(4)感光性フイルムの光硬化性樹脂組成物
2.2.3 液状フォトレジスト
(1)永久マスク形成用液状フォトレジスト
(2)電着塗工フォトレジスト
2.2.4 プリント配線板用フォトレジストの今後の動向
(1)配線パターン形成用フォトレジストの動向
(2)永久マスク形成用フォトレジストの動向
2.3 記録・表示用 (永井 透・瀬戸 順悦)
2.3.1 はじめに
2.3.2 磁気記録媒体への応用
2.3.3 画像記録への応用
2.3.4 液晶表示への応用
2.3.5 おわりに
3.光学
3.1 レンズ用 (串 憲治)
3.1.1 プラスチックレンズの素材としての応用
3.1.2 プラスチックレンズの後加工としての応用
3.1.3 ガラスレンズの後加工法としての応用
3.2 光ディスク用
3.2.1 はじめに (新本 雅樹)
3.2.2 光ディスク
3.2.3 UV硬化型光ディスク用コーティング材
3.2.4 まとめ
3.3 光ファイバー用 (新本 雅樹)
3.3.1 はじめに
3.3.2 光ファイバー
3.3.3 光ファイバー用UV硬化型コーティング材
3.3.4 まとめ
4.印刷 (根本 雄平)
5.建材 (森 光)
5.1 はじめに
5.2 UV硬化システムとEB硬化システム
5.2.1 UV・EBと熱硬化の比較
5.2.2 UVとEB硬化の比較
5.3 UV塗料
5.3.1 不飽和ポリエステル系UV塗料
5.3.2 アクリレート系UV塗料
5.4 建材への応用例
5.4.1 木工
5.4.2 ビニルフロアー
5.4.3 建材用ビニルシート
5.4.4 無機材
5.4.5 その他
6.紙加工 (石原 直)
6.1 はじめに
6.2 光沢加工用としての塗料と加工方式
6.3 光沢加工用としてのUV硬化塗料
6.4 UV硬化塗料の塗装システム
6.5 UV硬化塗料と従来システムとの性能比較
6.6 UV硬化塗料の組成
6.7 光沢加工用としてのUV硬化塗料の問題点
6.8 UV硬化塗料による新方式
7.歯科材料 (松本 竹男)
8.容器 (佐藤 三男)
9.鋼板・鋼管
9.1 鋼板
9.1.1 はじめに (増原 憲一)
9.1.2 鋼板の種類と前処理
9.1.3 EB硬化塗装鋼板
9.1.4 EB照射による塩ビ鋼板
(1)塩ビラミネート鋼板
(2)表面改善塩ビ鋼板
9.2 鋼管 (新井 哲三)
9.2.1 はじめに (住吉 岩夫)
9.2.2 鋼管の一時防*ャ処理
(1)従来技術と問題点
(2)UV塗料
(3)塗料装置と照射装置
(4)UV防*ャ処理した鋼管の性能
9.2.3 ポリエチレン被覆鋼管のプライマー処理
(1)従来技術と問題点
(2)UVプライマー
(3)UVプライマー処理したPE被覆鋼管の性能
10.生物系 (飯田 高三)
10.1 はじめに
10.2 光硬化性樹脂と固定化プロセス
10.3 固定化装置
10.4 光硬化性樹脂による固定化例
10.4.1 酵素の固定化
10.4.2 菌体の固定化
10.5 スチルバゾリウム系光硬化性樹脂
11.繊維 (沢井 健)
11.1 はじめに
11.2 グラフト重合
11.2.1 前照射法
11.2.2 同時照射法
11.3 繊維への放射線照射の影響
11.4 永久プレス加工
11.5 顔料捺染・染色
11.6 防水加工
11.7 コーティング加工
11.8 難然加工
11.8.1 ポリエステル繊維
11.8.2 木綿繊維
11.9 抗菌加工
11.10 その他:豚皮の改質
■第6章 市場動向 (シーエムシー編集部)
内容説明
UV・硬化技術について、シーエムシーでは、1989年9月に『UV・EB硬化技術の応用と市場』を刊行。その普及版。材料開発、硬化装置、応用展開について基礎的な技術も含めて解説されているので、同材料に対する研究開発の認識と今後の可能性を探る参考書として利用できる。
目次
第1章 総論
第2章 材料開発の動向
第3章 化審法に基づく試験と審査について
第4章 硬化装置の最近の進歩
第5章 最近の応用開発の動向
第6章 市場動向