内容説明
国家・社会・古里そして巷の世情・隣人にも多彩な視点をあて、一見硬派的にみえ乍ら一読心温まる微笑と泪と一種の緊張感に包まれるのは、著者が心底に正統浪人道の信念を秘めている若き誠純な愛国者であるからだろうか。ともあれ近来まれな人の世の哀愁と美しさと、男の浪漫に満ちた快著である。
目次
第1篇(憂国と望郷―獄中日記抄;出獄の弁)
第2篇(吾が家の記;野辺の送り;母二題;風樹の歎)
第3篇(寸言万感―『アジアの風』巻頭言集;紀元節奉祝の精神;安重根について;張学良異論;胡耀邦解任をめぐって ほか)
第4篇(井伏鱒二訪問記;しのびごと;陸上幕僚長への直訴状 ほか)