感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
13
立花隆氏の「サピエンスの未来」で紹介されていたテイヤール・ド・シャルダンについて書かれたものを探したが、ほとんどの本が絶版になっていた。これは貴重な現行本。文体や構成の関係で読みづらさもあったが、テイヤール・ド・シャルダンの生涯と功績を概観することができた。2021/09/17
k2ro
5
立花隆さんが東大生に向けて、この本くらいは読んでおけと言っていたのが、「現象としての人間」。これをいきなり読み始めるのは敷居が高く、尻込みしてしまった。そこでテイヤールドシャルダン入門的に手に取りました。 なんとなくわかったような、わからないような。2022/02/13
Ecriture
5
テイヤールの生い立ちと思想を初学者向けに平易にまとめたもの。本屋で偶然見かけて買ってみた。進化論や科学の隆盛・マルクス主義からのキリスト教批判・キリスト教の内部分裂が一にして全の「統合」を夢想させたのではないかと勘ぐってしまう。キリスト教の生き残りをかけて障害物をいかに懐柔していくか。知性の定性進化の極点たるオメガポイントは、窮したキリスト教者のユートピアなのかもしれない。宗教が宗教だけでは成り立たないことに加えて、科学・思想など他の領野の宗教化を感じ取った研究者としては評価できる。2012/09/02