出版社内容情報
19世紀後半、欧米を中心として空前の日本ブームが沸き起こった。意外に知られていないアメリカ人作家による日本をテーマとしたおびただしい数の小説群を発掘した初の書。
内容説明
気鋭の比較文学者が、埋もれた資料を掘り起こし、綿密な検討を加え、かつてアメリカを風靡したジャポニズム小説の全貌を初めて説き明かす。
目次
第1章 ジャポニズムのうねり
第2章 女性文学の伝統
第3章 ジャポニズム小説
第4章 ジャポニズム作家と日本
第5章 ジャポニズム小説の周辺
終章 アメリカ社会におけるジャポニズム小説の意義
著者等紹介
羽田美也子[ハダミヤコ]
日本大学非常勤講師。博士(国際関係)
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感想・レビュー
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桑畑みの吉
4
2005年2月発行。1853年のペリー艦隊の日本来航以降、アメリカの一般大衆も未知の国日本に対する興味が増大していた。1885年にはオぺレッタ『ミカド』、1904年にはオペラ『蝶々夫人』が上演。さらに小説の世界でも日本を舞台にした作品(ジャポニズム小説)がベストセラーになっている。本書ではその小説を書いた作家たちの経歴と数々の作品の概要を紹介、さらに解説も収録している。これらの小説は現在までほとんど日本語に翻訳されていない。外国人が描く奇妙なジャポニズム小説を概要とはいえ知ることが出来たのは収穫であった。2024/05/26