出版社内容情報
受容や影響だけでなく文化接触・文化融合がもたらすアメリカ・太平洋世界の文化風景を学際的なアプローチと歴史的パースペクティブで描きアイデンティティの変容を探る。
内容説明
アメリカ・アジアを含む太平洋世界を一つの文化的風景として捉え、同時に多文化主義とジェンダーの視点を加えて、単なる受容や影響ではなく、文化接触・文化融合がもたらす変容の相を考える。そして環太平洋諸国だけではなく、その環のなかに目をこらすインディジナス(土着的)な姿勢をも重要視する。
目次
文化風景としての太平洋世界
第1部 太平洋文化圏を考える(“太平洋”を書く―ペリー日本遠征(1853‐54年)はアメリカでどう物語られてきたか
環太平洋共同体の萌芽―両大戦間期の民間団体
アメリカ占領軍向け「慰安施設」に見られるジェンダー・人種・階級―RAAをめぐって ほか)
第2部 アジア太平洋の文化接触(教育におけるアメリカ・西欧モデルと文化的ジレンマ―日本とマレーシアの選択;アメリカとアジアの知的交流―「留学」の視座から;日米文化教育交流会議(カルコン)の成果と課題)
第3部 多文化主義とジェンダーの視点(チャイナタウンの孫悟空―マキシン・ホン・キングストン『トリップマスター・モンキー』に描かれた文化変容と母の語り;交錯する文化的自画像―『王様と私』をめぐる文化のせめぎ合い;ジャネット・フレイムの『カルパチア山脈』におけるディスプレイスメント―揺れるニュージーランドのアイデンティティ)
著者等紹介
滝田佳子[タキタヨシコ]
1943年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授
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