出版社内容情報
従兄妹どうしの禁じられた恋を描く恋愛心理小説――フランス文学の研究者が、古典劇のテーマを日本の風土に移し換えて贈る実験的作品。/「ふつういとこの関係というのは微妙なものなのだ。子どものころや、十代前半くらいまでは深い親愛の情をもって遊んだりする。しかしいつのまにか遠ざかってあまり会うこともなくなり、やがて遠い風の知らせに、結婚したなどと聞くことになる。……しかし私と惠美との関係はまるで違った。私の母の妹にあたる惠美の母は、その時代の女性には珍しく医科大学を出て、別の医科大学で基礎医学の研究に従事していた。……当然ながら子育ての充分な時間にも恵まれなかった。幼い惠美を朝保育所にあずけ、夜引き取りにいくことさえままならないことが多かった。…」(本書より)
内容説明
フランス文学の研究者が、古典劇のテーマを日本の風土に移し換えて贈る実験的作品。従兄妹どうしの禁じられた恋を描く恋愛心理小説。
著者等紹介
萩原茂久[ハギワラシゲヒサ]
フランス文学者・甲府市に生まれる。1971年東京大学大学院博士課程満了。独協医科大学名誉教授。元国際医療福祉大学教授
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