出版社内容情報
アンデスと西洋…せめぎあう異質な力の葛藤! ペルーの国民的作家がインディオと白人の二つの世界に引き裂かれた内面のドラマを描く代表作「水」を含む初期短編作品集。
ホセ・マリア・アルゲダス(1911~1969)は、ペルーのもっともすぐれた作家のひとりである。アンデスの人びとの魔術的な精神世界をえがいて、ラテンアメリカの現代文学において独自の地位をきずいた。先住民インディオの伝統文化と押しよせるヨーロッパ文化のせめぎあいをドラマチックにえがいた長編第一作『ヤワル・フィエスタ』(1941)と、孤独な白人の少年の目をとおして、アンデスの人びとの悲哀を情感ゆたかにえがいた自伝的長編『深い川』(1958)が代表作。本書に収録しているのは、アルゲダスの初期のほぼすべての短編である。(本書「訳者あとがき」より)
内容説明
クートゥ、ぼくが大きくなったら、ドン・フロイランを殺すからな!アンデス…ふたつの文化のはざまで苦しみつづけたペルーを代表する作家が、自ら50代半ばの男の仮面をかぶった少年であると言った。そしてこれらの切ない短編を残してくれた…。アルゲダスの生い立ちは、本書におさめられたさまざまな短編にも反映されている。デビュー作であった「ワルマ・クヤイ」では、すでにふたつの文化のはざまにおかれた苦しみが吐露されている。少年時代にインディオたちの踊りの輪に入れてもらえなかった記憶は、のちのちまで尾を引くことになったし、白人の世界にもなじめなかった苛立ちも短編の末尾に悲痛な叫びのように書きつけられている。アンデスと西洋のせめぎ合いは、アルゲダス自身の内面で演じつづけられたドラマであった。
著者等紹介
アルゲダス,ホセ・マリア[アルゲダス,ホセマリア][Arguedas,Jos´e Mar´ia]
1911年にペルー南部のアンデスのまちに生まれ、少年時代を先住民インディオたちとすごした。アンデスの伝統文化と押しよせる外来文化の攻防を描いた『ヤワル・フィエスタ』や、インディオの精神世界を情感豊かに描いた自伝的長編『深い川』が代表作。ふたつの文化のはざまで苦悩しつづけた作家として、少年時代の切ない日々をふり返り、滅びゆく人びとの怒りや哀しみを、一群のみごとな短編に織りあげた。1969年に自ら命を絶った
杉山晃[スギヤマアキラ]
1950年ペルー・リマ生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。清泉女子大学教授
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感想・レビュー
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よきし
kaizen@名古屋de朝活読書会
okadaisuk8
nami_dayawati.devi
なさぎ
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