アイルランド建国の英雄たち―1916年の復活祭蜂起を中心に

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  • サイズ B6判/ページ数 374p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784882028208
  • NDC分類 233.9
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1916年4月の復活祭蜂起から、22年のアイルランド自由国を経て、49年の完全独立までの歴史を、主要人物をとおして描く現代史。蜂起は一週間たらずで英軍に鎮圧され、ピアスとコノリーたちは処刑された。にもかかわらず、「革命の第2世代」が22年に事実上の独立を勝ち取ったのはなぜか。それはアイルランド民族の魂の覚醒・再生をめざしたピアスや、世界大戦を革命に転化しようとした社会主義者にして民族主義者のコノリーらの蜂起の理念・理想を継承したからだった。英国に処刑されたピアスとコノリー、グリフィスとコリンズは不幸な内戦の最中に脳溢血と仲間による暗殺に斃れた。彼らが造り上げた「アイルランド自由国」は、その後政敵でもあったデ・ヴァレラの手に移り、彼の長期独裁政権がアイルランドの礎を築いた。文学者から革命家に転じたピアスらとは逆に、革命家から文学者に転じたショーン・オケイシー論も付す。

内容説明

一週間たらずで鎮圧された復活祭蜂起の指導者ピアスとコノリー、実質上の独立を勝ち取った22年の主役グリフィスとコリンズ、そして現在のアイルランドの基礎を築いたデ・ヴァレラを論じ、彼らに対するアンチ・テーゼとして革命家から文学者へ転じたショーン・オケイシー論を付す。人物を中心に描くアイルランド現代史。

目次

第1部 プロローグ(復活祭蜂起はなぜおこったのか;復活祭蜂起前史;武器の調達;英行政府とIRB(アイルランド共和主義者同盟)の動き
蜂起の経過)
第2部 建国の英雄たち(パトリック・ピアス―編集者、教育者、革命家;ジェイムズ・コノリー―社会主義者にしてナショナリスト;アーサー・グリフィス―シン・フェイン党の創設者;マイケル・コリンズ―対英独立ゲリラ戦争の立役者;イーモン・デ・ヴァレラ―ゲーリック、カトリック、共和国)
第3部 エピローグ(ショーン・オケイシー―労働運動から文学活動へ)

著者等紹介

鈴木良平[スズキリョウヘイ]
1936年東京都に生まれる。1960年東京大学英文科卒業。岐阜大学、名古屋工業大学、法政大学を経て現在、法政大学名誉教授。1981‐82年英国ケンブリッジ大学留学。1990‐91年英国ケンブリッジ大学留学。1996‐97年アイルランドのダブリン大学近代史学科留学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えそら

4
四年ほど前に読んだ時には理解できない部分も多かったアイルランドの独立と建国へ至る道のりを描いた本。映画「麦の穂をゆらす風」と「マイケル・コリンズ」を観直してからの再読。1916年の復活祭蜂起をプロローグに、建国に関わったピアスやコリンズといった人物5人を中心に語る。エピローグにはアイルランドと決別することになるショーン・オケイシ―の、活動と共に書かれた戯曲が述べられる。人物の幼少時代や背景を知ることで「歴史がそこに至るまで」を知ることができる良書だと感じた。2017/11/08

ラインマイヤー@ルーマニア王政派

0
題名の通り復活祭蜂起を中心にIRB時代からデ・ヴァレラ政権時代までを人物を中心に知れる本。デ・ヴァレラやコリンズなどもネット上で(日本語では)知れないようなことも書かれており、大変面白かった。ショーン・オケイシーの項は彼の書いた戯曲の内容が中心であり、すこし退屈であったが、アイルランドの独立運動に興味があるなら是非読んでほしい一冊。2013/09/23

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