出版社内容情報
滝の発見から現在まで、先住民の伝説や有名人のエピソードなどをまじえて描く、体験的ナイアガラ案内。
「その日、滝のうなりに会いに行った。その轟音はやはりすごいと思った。ネイティヴの苦悩、青年の孤独、燃え上がる船にいた人の絶叫、モンローの演じた妻の裏切りに対する夫の激情がうなりにこもっている。振り返ってみると、うなりに埋没している滝の物語はたくさんあった。ネイティヴの『水の雷』『偉大な神』という感じ方、ディケンズの感じた『美』、女性旅行家が感じた『崇高さ』、綱渡りをする人や樽おばさんの『ちょっと無謀な冒険』、小野さんの『お茶を点てる』と言った言葉や行動は、みな滝の迫力や威力から発していた。現在の人々が感じる滝の魅力の根拠を、過去の人たちはさまざまに体現してくれたのかもしれない。滝を見て誰でも使う“すごい!”という形容詞は、これらの意味を暗に含んでいるのだと思う」(本文より)
内容説明
カナダ滝とアメリカ滝…。滝の発見から現在まで、さまざまなエピソードで綴るナイアガラ案内。
目次
滝はうなる
水の雷
『少女と狼』の伝説
白人たちがやってきた
滝の発見者
ナポレオンの弟さん
行こ、行こ、行こ
沈黙はともだち
炎上
大きな天国〔ほか〕
著者等紹介
ウィルソン夏子[ウィルソンナツコ]
名古屋市出身。東京芸術大学音楽教育修士。ウェスタン・オンタリオ大学ピアノ修士。現在、同大学にて日本語講師。1976年以来カナダ在
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