出版社内容情報
自伝小説『ブラック・ボーイ』(岩波文庫)、都会の底辺で生きる黒人たちの苦悩を描い『アメリカの息子』(早川文庫)などで著名なアメリカ文学の巨匠リチャード・ライトのシカゴを舞台に描いた知られざる処女作、本邦初登場!「習作ともいえるこの小説の内容や手法が、その後のライト作品の所々に見られ、以後の作品のブループリントをなしていると思われることである。世界的不況の30年代の大恐慌期とは様相が異なるとはいえ、戦後の日本が初めて経験する現今の大不況下、馘首の不安にかられる黒人労働者の刹那的心情が本書により、いくらかでも身近なものとして理解されるのではないかと思われる。訳者は当時の都市黒人コミュニティの活写と、その間にふんだんに盛り込まれた視覚的、聴覚的フォークウエーやサブ・カルチャーの数々を、時代を写す貴重な実録として高く評価する」
内容説明
アメリカ黒人文学の最高峰ライトの処女作、本邦初登場!大恐慌下のシカゴを舞台に底辺で生きる黒人の苦悩と庶民風俗を赤裸々に描く時代の証言。
著者等紹介
絹笠清二[キヌガサセイジ]
1932年、神戸市に生まれる。関西学院大学経済学部卒業、神戸市外国語大学大学院修士課程修了。神戸市立高等学校教諭、校長、教育委員会指導主事、総合教育センター研修課長などを歴任。1993年退職後は大阪工業大学嘱託講師、94年より聖和大学短期大学部教授。著書に『優しい国際理解』(山口書店)、『アメリカ文学の読み方』(大阪教育図書株式会社)など
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