内容説明
ドイツ文学の地下水脈を探る。ドイツ近代文学史上、代表的な幻想短篇小説を丹念に読み解く、格好の入門書。
目次
第1章 幻想性と短篇小説
第2章 挫折したメルヒェン―ティーク『金髪のエックベルト』
第3章 倫理的驚愕―クライスト『ロカルノの女乞食』
第4章 おぞましき悦楽―フケー『地獄の小鬼の物語』
第5章 幻想的歴史記述―アルニム『エジプトのイザベラ』
第6章 貨幣の魔性―シャミッソー『ペーター・シュレミールの不思議な物語』
第7章 死の戦慄と愛の死―コンテッサ『死の天使』
第8章 不気味な没落―ホフマン『世襲領』
第9章 幻惑された意識―ホフマン『砂男』
第10章 ヴィーナスの亡霊―アイヒェンドルフ『大理石像』
第11章 啓蒙された精神の悪魔化―ウンゲルン=シュテルンベルク『分身の女』
第12章 デーモンとしての女―ゴットヘルフ『黒い蜘蛛』
第13章 幸福と恐怖のあいだで―シュトルム『ツィプリアーヌスの鏡』
第14章 シュトルム―転換点にある幻想的短篇小説