内容説明
放浪の作家ロレンスが激動の時代を背景に「堕ちてゆく女」アルヴァイナと旅芸人チッチョとの恋を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
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ほんとにロレンスかいってくらい、普通に面白い。的確な描写で情景を巧みに作り上げ、普通の感情の振れ幅をはみ出さないけれども、少し変わった小説的人物。あまり喋らないが生き生きと動く。頑張らなくても十分に共感でき、語りの上手さを存分に堪能できる。アルヴィーナ、その父ジェイムズ、ミス・フロストとミス・ピネガー。ナッチャキータワラ、チッチョ。ただ校正は酷い。「とほり」がみんな「とうり」と表記されるのは、特に気が散って仕方がない。中盤以降少し弛むが、終わりまでしっかり読ませる。20年のジェイムズ・テイト・ブラック賞。2024/11/23