内容説明
死刑確定後に書かれた異例の書。戦後史の中で未だ謎を秘めた連合赤軍事件の実相に迫る、当事者の記録。
目次
死者続出の総括(つづき)
赤軍派メンバーに対する総括
処刑
処刑の反動による総括
革命左派女性メンバーに対する総括
総括による最後の犠牲者
リーダーの自死
武装闘争の清算と出国拒否
死刑判決と真相究明
上告棄却と歌作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
6
山本直樹の「レッド」に興味があって、そこから。総括の方法、車の運転でミスしたのは技術不足と説明すると気持ちの持ちようの問題にされたり、○○という態度の内面はこうだ!と勝手に決めつける。実は学校や社会でよくある身近な話。○○を企んだのは○○をしたのと同じことだ!許せない!と吹き上がるのは、権力側が共謀罪でやろうとしてる取り締まりと同じ発想。反権力を標榜して、コミュニティの中の女性を差別し(チラチラ出てくる発言がすごい差別的)、自分たちが忌み嫌っているはずの権力者と同じ振る舞いをする…どういうことなのか…2019/03/25
konaka
3
32014/10/14
kamakama
3
正直文章は小難しいは、理屈で感情を無理やり抑え込んでいるような感じはあるはで、最後の方になってくると読み疲れてきて、いい加減に読み飛ばしてしまった。主体性確立ってこんなことだったのだろうか?犯した罪は消えないし、償うのは当然だと思うがあまりに痛々しい、著者の表現形式であった。2010/10/04
bassai718
1
これまで、植垣・永田・加藤と読んできて、著者の作品で一応書籍にまとめられた当事者の手記は一通り読んだことになる。(他に森の遺稿もあるがあまり読む気はしない。)当事者たちがさまざまな角度から記録を残しているのが連合赤軍事件の特徴だが、記憶の相違を含め、改めて真実は人の数だけあるのだと思わされる。2018/10/22
田中峰和
1
あさま山荘上下巻で漏れた山岳ベース事件の記録。編集部あてに発送し紛失した原稿のリライトだ。1971年12月31日~2月12日までの40余日で殺害された12人のメンバーの死が克明に描かれる。全ての総括・処刑の発端は森恒夫からだった。それぞれが森の詭弁により、こじつけのような理由をつけられリンチ殺害された。敗北主義であったり、非軍事的だったり、本人も周囲も納得できない理由で総括に追い込まれる。永田洋子から女性らしさを疎まれて総括させられる遠山美枝子は可哀想だ。逮捕後わずか2年、身勝手な森の自殺が悔やまれる。2015/04/30
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