内容説明
31年間、母国へ帰ることなく徳島の地で果てた作家が、1910年から1929年までの20年間、妹へ綴った絵葉書。孤高の文豪モラエスが肌で触れた明治大正昭和のニッポン。
感想・レビュー
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inarix
7
『三日前、起きたとき、何もかもが雪に覆われて真っ白だった。ぼくの庭はきれいだったよ』。1898年、43歳で神戸・大阪ポルトガル国領事に就任したヴェンセスラウ・デ・モラエス。1913年に職を辞し徳島へ移住し、31年後、母国へ帰ることなく徳島の地で果てた彼が、1910年~29年までの20年間妹へ送り続けた絵葉書609通を通信文と共に収録。モラエスが肌で触れた明治・大正・昭和のニッポンの風景や人々。岡村多希子氏の訳文により優しくよみがえるモラエスの言葉が、遥かなポルトガルと過ぎ去った明治時代への郷愁を呼ぶ良書。2014/10/26
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