目次
第1章 獄中からの手紙―病状日誌
第2章 坂東国男さんへの返信
第3章 獄中医療と尿療法
第4章 庄司宏弁護士の「遺言」
第5章 内ゲバ克服のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かぶき者
5
連合赤軍で主導的立場となり内ゲバにより10人以上の同士を死に追いやったとされる。本書は投獄されてからの外部との手記や日記などを編纂したもの。クアラルンプール事件を起こした坂東國男が出版した「永田洋子への手紙」に対する返信として書かれた手記が核となりますが、それ以外に脳腫瘍による苦痛を和らげるために始めた飲尿療法なども。瀬戸内寂聴さんはこの人にからもらった手紙に魅力を感じ、手紙での交流を始めたというほどの哲学的思想をもった人物ながら事件の真相は行き過ぎた思想、嫉妬、自己中心に他ならないだろう。2019/11/10
hiro
4
12人の仲間への凄惨な総括とリンチにより死に至らしめた山岳ベース事件から1972年のあさま山荘事件へと至る連合赤軍の幹部の一人。1983年の判決(死刑)では、山岳ベース事件は彼女が主導したものとされ、その原因を彼女の「不信感、猜疑心、嫉妬心、敵愾心」「女性特有の執拗さ、底意地の悪さ、冷酷な加虐趣味」だとされた。判決は控訴後1993年最高裁で死刑の確定判決。2001年に再審請求も2006年棄却された。彼女は収監後ひどい脳腫瘍を患いながら獄中から出版した数冊の最後の本。死刑前の2011年に死亡。2020/02/15
ymazda1
0
どこぞの本屋で永年売れ残っていた感じのこの本をたまたま見つけて読んだのは10年ちょいくらい前だったっけ。。。 彼女の手紙は決して自覚的な「演技」ではなく、「あの頃」の彼女の時間はスッポリと抜け落ちて、幼いころの彼女に直接つながってるように自分には感じられて、なんとも言えない感覚になったのを覚えてる。。。
コギー
0
図書館本。1960年代後半から70年代にかけて連合赤軍幹部として様々な凶悪事件に関与し、多数の同志に対するリンチ殺人事件であった山岳ベース事件の主犯として逮捕され、死刑囚となった永田洋子が獄中から支援者(後に獄中結婚した男性)に対して発信した書簡。死刑が確定する93年2月以前のレポートと、その直後に支援者の男性に発信した書簡が収録。永田は、死刑確定から18年後の2011年2月に獄死する。その獄死からももう13年が過ぎ、死刑確定からは30年余りとなってしまった。獄中から見た当時の日本社会のレポート。2024/07/05