内容説明
『真昼の暗黒』でソ連の実態を暴露。『スペインの遺書』でフランコ軍の内幕と極限状況の心理を描き、『ホロン革命』で思想界に衝撃を与えた巨人の苛烈な体験をつづる。
目次
第1部 恍惚感―1932・共産党へ
第2部 ユートピア―1932‐33・ソ連の夢と現実
第3部 流浪―1933‐36・政治と文学の狭間で
第4部 目に見えぬ文字―1936‐40・獄中での悟りと脱党
感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
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本書は著作者自身の自伝で、第1次・第2次大戦の狭間において欧州で何が起こっていたのか、ということを著者自身の壮絶な体験と鮮やか筆致で描かれたお勧めの一書。 ドイツではヒットラーが台頭しファシズムの嵐が吹き荒れ、裏ではスターリンによる共産党の暗躍が始まる。その中で著者はゲシュタポの追求を嫌い共産党に入党するも、ソ連の実情を目の当たりにして、共産主義に幻滅する。スターリンは、自分の邪魔になる者達を次々と粛清(パージ)した。 そして共産党を脱党しようとするも、思うようにはいかず、一人また一人と友を亡くしていく。2013/02/11