内容説明
ヨーロッパの成立をダンテ文学に探り当てる著者は、価値論としてより現象論として、これが解体していく予兆を、遠くルネッサンスに見る。主に文学、批評を通し、その思想史の歪みを分析、とどめをベケットに刺す。論じられる対象は、ダン派、ホッブズ、モダンアート、ペイター、シモンズ、ワイルド、フランス象徴派、イメージ派、ニーチェ、カミュ、グリーン、ジョイス、現代批評。20世紀の終焉に英文壇におくる必読の文学論。
目次
序章 薔薇の思想史
第1章 ヨーロッパの風景―その成立から変貌へ
第2章 流浪する芸術と批評
第3章 現代文学の相貌
結章 迷走する批評の現在