内容説明
欧米の現代文学の荒廃の要因、文化の無化、不条理の根底に、著者は、ダーウィンに始まり、直接にはニーチェに至ってその極に達する「神の死」を見る。ドストエフスキー、グリーンらの聖と俗の狭間に彷徨う作家たちの存在意義を問いつつ、現代作家カフカ、カミュ、ジョイス、ベケット、ヘミングウェイらの作品を克明に分析。啓蒙性と革新性を併せもつ、出色の批評。
目次
第1部 信仰の喪失(現代文学と神の死;神と疎外された自我;エロスと神の死)
第2部 神の探求(キルケゴールとニーチェ;ドストエフスキーと宗教の問題;自殺の文学;小説における聖秘なるもの;宗教と小説;小説におけるカトリック教;無信仰の時代における悲劇の弁証法)
第3部 要約(結び)