内容説明
隠秘学の霊脈を辿る―1848年、ハイヴィル事件を契機として澎湃湧き起ったオカルト復興の波。隠秘学、神秘主義、心霊研究など近代における秘教思想の流れを辿り、現代オカルト受容の意味を探る気鋭の研究者による論文集。
目次
影の水脈―西洋近代オカルティズム略史
神智学の誕生―或いは、HPBとアメリカ
後記神智学協会とメシアニズム―〈マスター〉から〈メシア〉へ
アガルタと太初の伝統
真理への旅―グルジェフ、その前半生
清水英範と霊術家の時代
自己意識の変容と拡大―多元的リアリティを求めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
3
エリファス・レヴィ以後の主要な人物・運動を紹介している。神智学が多めでグルジェフや霊術やトランスパーソナル心理学も。こうした人々の人生を辿ってみると、感性の鋭さや好奇心の強さのゆえに幻想が高じ、時にそれがバイタリティと結びついた場合に特異な運動に結実している。また、過去の知識の総合、東方志向などは、時間的にも空間的にもパノラマ化する近代の世界観を映し出しているようで興味深い。2016/04/17
kokada_jnet
1
横山茂雄、岩本道人他の論考。86年刊行だが今読んでも新鮮。2009/02/23