感想・レビュー
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madhatter
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再読。やはり表題作。「山月記」を思い起こす内容だが、「ありえたかもしれない人生」が卑俗である分、オチも合わせてその凄みが心に残る。個人的には、チャーミアンはブランチェほど自分の才能に自信も、情熱も抱けなかったからこそ、斯様な人生を送ったように思えた。故にブランチェは、才能を「埋めてしまった」と思うし、あのオチはいかにもモームらしい、芸術に対する厳しさを感じる。しかし、届かなかったとは言え、救いもあった辺り、厳しいばかりの作品ではない。その他お気に入りは「百万長者のできるまで」「男女の仲は神のみぞ知る」2011/10/22