内容説明
バブルが崩壊した二十世紀末の日本で、未知の外来生物セアカゴケグモが初めて発見された。以来、「非常に危険」「おとなしいので安全」などの情報に踊らされるままに十五年以上が過ぎた。発見当初から毒グモと関わってきた生物研究者が、この騒動の事実を記録・検証する。
目次
第1章 セアカゴケグモの発見と波紋
第2章 ゴケグモとはどのようなクモか
第3章 1996年以降の分布拡大
第4章 社会現象としての「毒グモ騒動」
第5章 外来生物としてのゴケグモとの付き合い方
第6章 クモと日本人
著者等紹介
清水裕行[シミズヒロユキ]
1949年東京都生まれ。高校生物部でクモをテーマとし、1965年に東亜蜘蛛学会(当時)に入会、八木沼健夫博士に師事。神戸大学理学部生物学科に在学中に「ヒラタグモの斑紋変異」を研究。卒業後はアマチュアの立場でクモの研究を継続。1995年の「毒グモ騒動」を機会に、ゴケグモ類のデータ収集を開始
金沢至[カナザワイタル]
1957年新潟県生まれ。1984年から大阪市立自然史博物館に勤務し、現在は昆虫担当主任学芸員・大阪市立大学非常勤講師。ボルネオ、中国、台湾、韓国などでの調査も経験し、アサギマダラを調べる会、昆虫担当学芸員協議会などの事務局をつとめる
西川喜朗[ニシカワヨシアキ]
1940年大阪府生まれ。少年時代から大阪市内の焼け跡や、奈良県斑鳩町の田舎で虫採りを楽しむ。大阪府立大学大学院修士課程修了後、追手門学院大学に勤務し、八木沼健夫博士のもとでクモの研究を始める。地表徘徊性ヤチグモ類の分類・生物地理が専門。1974年にオーストラリアの毒グモの調査を行い、東南アジアや日本の各地で多くの生物調査を実施してきた。元日本蜘蛛学会会長、日本洞窟学会会長、大阪市立自然史博物館友の会会長、追手門学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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