出版社内容情報
幼い子どものときから、生まれ育ったコーンウォールの池や川で釣りをしていた。最初のうちは彼に釣りの手ほどきをしてくれた父親と…、やがてひとりで釣りをするようになった。夏休みは瞬く間に過ぎていった。そんな平穏な日々を経て大人になり、釣りのレバートリーは広がったが、最初に釣りを覚えた池への愛情は今も変わらない。「コーンウォールの池のほとりで」は著者の釣りと自然に対する愛情の物語である。
内容説明
幼いころはじめて釣り竿を手にして以来、釣りから離れたことは一度もない。そんな著者が釣り、そして子どものころから親しんできた池、周囲の自然について愛情豊かに綴ったエッセイ。
目次
池のほとりの家
よくできた結末
これからの釣り
春の終わり
僕の好きな釣り
今朝もひそかに
秘密の楽しみ
喜ばしい一日
ひと休み
発破池〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志村真幸
1
Tom O'Reillyの『The Spirit of the Pond』(1996年)の翻訳。 著者は製本家、装丁家、エッセイスト。 近所の2つの池で釣りに励み、その内容をエッセイとしたのが本書だ。柔らかな語り口であり、いかにもイギリス人らしい皮肉なユーモアが効いている。 ガツガツ釣るというより、自然のなかに溶けこむようなスタイル。 隠れ釣りである点が特徴だ。密漁はもちろん違法行為だが、イギリスでは伝統的に労働者階級の既得権益、抵抗、文化としておこなわれてきた側面がある。 訳文は端正。 2024/03/24