内容説明
「三文オペラ」のブレヒトが独特の人間観察のまなざしを近代科学の祖ガリレオに向ける。これはガリレオの虚像か実像か?ブレヒトは対話する相手の意表に出て、反論を楔のようにうちこみ、相手を巻き込む談話の名手。そんなブレヒトがここにいる。1944年アメリカ、亡命者と俳優の出会いは新しい「ガリレオ」を生んだ。原子爆弾を投下したその国で科学を、民衆の生活を、そして演劇を問う。戯曲本編に演技論、演劇論、上演記録をくわえた縦横の編集により、本書はブレヒト劇の楽しさをあざやかに示す。
目次
戯曲ガリレオ(チャールズ・ロートンの協力による英語版)
ある役の組み立て―ロートンのガリレイ
演劇のための小思考原理
付録 ガリレイの生涯“最終場のための覚え書”(ケーテ・リューリケ=ヴァイラー)
著者等紹介
ブレヒト,ベルトルト[ブレヒト,ベルトルト][Brecht,Bertolt]
1898年、アウクスブルクに生まれる。ドイツ革命とその挫折のなかで戯曲や詩を書きはじめ、『三文オペラ』によって世界の注目を集める。以後、叙事的演劇の理論を確立。1933年にドイツを脱出、スイス、デンマーク、アメリカなど「靴よりも多くの国々」で亡命生活を送りながら『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ガリレイの生涯』などを書き、1948年、東ベルリンに帰る。夫人ヘレーネ・ヴァイゲルとともに劇団ベルリーナー・アンサンブルを設立し、多くの戯曲、詩、小説、物語などを書く。1956年8月、死去
笠啓一[リュウケイイチ]
1928年、広島県に生まれる。1950年、旧制第一高等学校卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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