目次
第1部 歴史に残る伝統の色(縄文時代・弥生時代・古墳時代 日本が国として統一される前の時代―色は身体を守る魔除けのため、神への祈りのために使われました;飛鳥時代・奈良時代 国の制度が整い、中国の文化を吸収した時代―積極的に中国文化を取り入れ中国の色使いを輸入しました;平安時代 雅な美意識を熟成させた貴族の時代―自然を美しい色で象徴する、日本らしい感性が育っていきました;鎌倉時代・室町時代・安土桃山時代 精神性の高い武家の感性が好まれた時代―武家と貴族の好みが混ざり、簡素で勇壮な色が好まれました;江戸時代 粋と遊び心で、庶民芸術を爛熟させた時代―個人の自由な嗜好による多くの流行色が生まれました;明治時代・大正時代・昭和時代 西欧化の波とその反動が繰り返す時代―くすみのない合成染料の色と復古調の古色が両立しました)
第2部 日本人の感性と色(紅―華やかさと気品を兼ね備えた色;赤―生命力を象徴する最も強い色;黄―陽気で明るい普段使いの色;緑―豊かな自然を象徴する色;青―貴族も庶民も魅了し続ける色;紫―時代を越えて不変の高貴な色;茶と鼠―枠を表す通好みの色;白と黒―深いこだわりの色)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seri
79
色から見る日本の歴史。赤を魔除けとしていた古代、色の多様化によって意味と制限が出てくる中古、更に文化的に発展を見せる中世から近世、現代にまで根付く色の文化の根深さに驚かされます。文献で読むばかりで、色の名称は知っていても実際の色として見たことは殆どない自分の知識の偏りに愕然としつつも、カラーページで分かりやすく紹介してくれるこの本は良書です。和の色って決して派手ではないけれど落ち着いた色味が上質な品を感じさせてくれる。色で見るという新鮮な視点に改めて日本文化の豊かさを教えてもらいました。2015/01/22
nyaoko
62
図書館本。開いた瞬間「なんて綺麗なの」と感動。日本にある色の表現とはこんなにも優美で繊細で豊かなんでしょうか。可愛いイラストと、日本の歴史に沿って説明されているのでとても読みやすいです。姉妹本もあるらしく、これも是非読みたい。とても趣のある本です。2016/12/01
ひめありす@灯れ松明の火
50
姉妹凡に続いて。こちらも充実した読み応えの有る本でした。今回は歴史と色に着いて。知ってる事も有り、知らない事もあり。萌黄色と萌葱色の混同は平安時代から始まっていたとか。そりゃ現代も混同しちゃうはずです!天皇の平服と六位の蔵人の衣冠の色が同じなんて知らなかった!どれだけ蔵人が特別な役職であったのか、もくもく想像が膨らみます。今も良く十年単位で流行がやってくるとか言うけれど、それはもっと大きな時代区分でも同じように繰り返されているんだなあと思いました。後はお仕事として色と向き合う人達についてもっと知りたいな。2015/06/25
カピバラ
28
美術館で購入。浮世絵展を見た後だったので、色が文化と根強くつながっていることがよく分かった。イラストも入っていて読みやすく、面白かった。特に、源氏物語の着物のあわせの話が面白かった。2015/08/19
うめ
20
日本の歴史と色。目でも文でも楽しめる。色の名前がとても素敵。イラストも可愛い。やっぱり襲の色が美しい。この感性が好き。2016/07/28
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