内容説明
おテレビ様は一億の人口を白痴化しただけではない。日本という社会を白痴化し、その構造を破壊した。国民が白痴化すれば国家も白痴化するのは、当然の成り行きに違いない。おテレビ様、その罪は重い。
目次
おテレビ様、降臨す
陵辱された『鳩子の海』
便利か醜か、不便な美か
ソドムとゴモラのテレビ界
NHKのブラックリスト
人文は生を求め、理工は死を願う
姿を見せないゲッペルス
時計仕掛けの暴君ネロ
『朝まで生テレビ』で気づいたこと
電波モグラが潜在意識にもぐりこむ
チャイエフスキーの予言
反射精神をなくした黒アヒル
盗まれた脳
二つの恐ろしい作品
限定的な陰謀、大局的な陰謀
知的底辺としてのテレビ
相互理解消滅の日本社会
泥を喰う豚
バカにつける薬としてのテレビ
最後に歌う歌
著者等紹介
林秀彦[ハヤシヒデヒコ]
1934(昭和9)年東京生まれ。学習院高等科より1955~61年、独ザール大学、仏モンプリエ大学に学ぶ。哲学専攻。柔道師範。松山善三氏に師事してテレビ・映画脚本家として活躍。「鳩子の海」「ただいま11人」「若者たち」「七人の刑事」など作品多数。1988年よりオーストラリアに移住。2005年、18年ぶりに帰国、九州・大分の山中に住む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
3
ダイジェスト版からの要約 今までのどの機械よりも、テレビは人間性を破壊し、変える力を持っている。但し、テレビに人間をより良くする力があったにせよ、それは本・書物が人間に与えたような向上ではない。テレビと本を比較すれば分かり易い。知的な刺激を求め、人間が本と親しんだその時間の大部分は、今テレビに奪われている。本には良書と悪書の区別があった。だが今、テレビに「良番組」「悪番組」などの識別をする事はない。テレビの番組は、それがどんなジャンルのものであれ、古典は生まれない。古典を生まない知的媒体は、何も残さない。2018/07/17
renren
2
読了不可能にて中途終了。こんな本に手を伸ばすくらいだから私も「テレビを見すぎると馬鹿になる」「一方的洗脳的報道(番組制作)の弊害」「スポンサーと視聴率至上主義の愚」という筆者の見解とはかなり近いのだが、そんな読者をして嫌悪感で読み進められなくする文体は逆に貴重ではないか。自己愛と自己憐憫と自己陶酔の権化のような文章(ポエ夢)。テレビは美しくないと言うが、筆者の美学がこの文体なら美しくなくて結構!と思ってしまう。論評をするならせめて事実を見ようよ、中学生でも「丁寧」くらい書けるよ。とんだ時間の無駄でした。2010/09/23
きまま
1
テレビの弊害を訴えたいのはわかるけど、他人を見下したような態度と独善的な物言いは、読んでいて不愉快になりました。2009/03/05
ruka
0
伝えたいことはごもっとも。表現が独特で好き嫌いがあるかもしれない。私は嫌いではない。どんどん言ってくれってかんじ。むしろどんどん言ってくれたほうがすがすがしく気持ちよい^^2011/05/24