目次
1 専門教育と活動
2 スコアへのアプローチ
3 オペラの指揮とコンサートの指揮
4 声と楽器
5 空間と編成
6 歴史と現在
7 リハーサルと本番
8 ベルカントとヴェルディ
9 ヴァーグナーとシュトラウス
10 モーツァルト
著者等紹介
ヴァイケルト,ラルフ[ヴァイケルト,ラルフ] [Weikert,Ralf]
オーストリア生まれ。ウィーン音楽アカデミーにて指揮をスワロフスキーに師事。1963年ザルツブルク州立歌劇場にてコレペティートルおよびカペルマイスターとしてキャリアを始める。1971年よりザルツブルク音楽祭常任指揮者、1974年ウィーン国立歌劇場にデビューし、その後115公演を行う。1975年カール・ベーム賞受賞。世界各地の主要オーケストラや歌劇場で客演指揮
井形ちづる[イガタチズル]
東京藝術大学大学院音楽学専攻修了。ミュンヘン国立総合大学第2哲学科にて研鑽を積む。オペラやドイツ・リートの字幕および対訳も多い。元東京藝術大学音楽学部オペラ科、明治大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
71
著者は、あのスワロフスキー先生の弟子というだけあって、確乎たる「指揮者の使命」が示される…「指揮者にとってスコアは聖書」「指揮することは聖書解釈」「聖書の言葉は変えてはいけない」「スコアの行間ではなく、各行の中を読む」「指揮棒からは何の音楽も生まれない」「指揮者は謙虚になるべき」。コレペティからカペルマイスターという厳しい修業を通じて叩き上げ、オペラとコンサートの二刀流こそが指揮者の理想と考える著者だからこそ言える具体的な指摘(テンポと拍子、声と楽器、リハーサルなど)が盛沢山で、とても勉強になるいい本だ。2020/11/20
まるほ
27
お気に入りの読友さんのレビューから手にとった本。▼以前読んだ『指揮者は何を考えているか:解釈、テクニック、舞台裏の闘い』と同様に、現役のマエストロが「指揮とは何か」を語る本。前述の本は指揮者の取り巻く周辺についても言及していましたが、こちらの本は音楽論が中心。いずれにしてもとても興味深く読みました。▼著者はオーストリア出身の方なので、やはりなによりもオペラからキャリアを積むべきと示唆する。このあたりがアメリカ出身の指揮者と異なる部分なので、実に興味深いです。2021/02/13
どら猫さとっち
4
指揮者の仕事とは、その心得とは何か、そして音楽をどのように捉えて演奏するか。自身の体験と理論を踏まえながら論じる一冊。以前R・シュトラウス「ばらの騎士」を聴きに行ったが、そのときの指揮者が彼だった。スコアは「学ばれる」ことを望んでいます。その一言に、指揮者としての真摯な姿勢が伺える。はじめに「このちいさな本」とあるが、読み終えたときは、本書が重厚で大きな本に思えてきた。音楽を愛する人にはもちろん、違う分野の職業の人にも読むとヒントが得られるだろう。2019/11/24
葛
0
発行日:2019年9月26日初版第一刷発行 著者:ラルフ・ヴァイケルト 訳者:井形ちづる 発行人:仙道弘生 発行所:株式会社水曜社 装幀:小田純子 印刷:日本ハイコム株式会社 定価:本体2200円+税2020/07/18