出版社内容情報
「この中には漁師の声がいっぱい詰まっている。おまえには、ペンがあるだろう」。今はなき漁業組合長から託された二十数冊の手書きメモ。そこに記されていたのは……。静かな寒村に突然現れたマンモス企業、〈化け物〉と呼ばれた巨大タンカーの正体、高騰する土地に群がるブローカーと権力者、漁民を狂わせた補償金ブーム、小さな喫茶店にまで飛び交う札束――歴史の闇に眠っていた克明な記録をもとに、衝撃の東京湾開発史が暴かれる。
鎌田慧氏推薦!!
〈山本周五郎の海はこうして略奪された──。石油コンビナートとディズニーランド。巨大資本による東京湾開発は、零細漁民の生活を押し潰して建設された。それは山本周五郎の世界が、大物政治家と右翼暴力団に乗っ取られる瞬間でもあった。大製鉄所、国際空港、ゴルフ場。これらの乱開発によって、千葉県は「金権政治」の代名詞となった。その「腐食の構造」が、これほど大胆かつ詳細に描かれたことはない。〉
プロローグ 「不可視」の領域
第1章 村で何が起こったか
第2章 追いつめられる漁師たち
第3章 狂騒の浜
第4章 埋め立てその後
第5章 世紀末の光景
エピローグ―断章・山の風景
内容説明
山本周五郎の海はこうして略奪された。石油コンビナートとディズニーランド。巨大資本による東京湾開発は、零細漁民の生活を押し潰して建設された。それは『青べか物語』に描かれた山本周五郎の世界が、大物政治家と右翼暴力団に乗っ取られる瞬間でもあった。大製鉄所、国際空港、ゴルフ場。これらの乱開発によって、千葉県は「金権政治」の代名詞となった。その「腐食の構造」が、これほど大胆かつ詳細に描かれたことはない。
目次
プロローグ 「不可視」の領域
第1章 村で何が起こったか
第2章 追いつめられる漁師たち
第3章 狂騒の浜
第4章 埋め立てその後
第5章 世紀末の光景
エピローグ―断章・山の風景
著者等紹介
増子義久[マスコヨシヒサ]
1940年生まれ。早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社。西部本社、北海道支社、東京本社などをへて、2000年3月、定年退社。その後、故郷の岩手県花巻市に居を移し、現在、地元の知的障害者授産施設の園長
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