内容説明
「私の中の超管理社会奴隷の粘りつく血を、たえまなく絞りだしつづけていくこと」とみずからに問いかけた著者が、「私の内部の文学伝習所」と対峙し、格闘した結晶としての作品集。喪失したものへの痛苦が、乃至は罪障への思いが、どの作品にも通奏低音のように流れ、生業としての“木彫”の仕事が、文体に生きている。
著者等紹介
遠矢徹彦[トウヤテツヒコ]
本名・遠矢政行、1940年生、金沢市出身。美学校にて木彫を学び日社大専修科を経て障害者授産施設木彫科指導員、木彫塾講師等の仕事に就く。法政大日本文学科中退。日本文学学校研究科22期修了。’74年同人誌「アンタレス」創刊、秋山清追悼号をもって終刊。’78年文学伝習所に参加、文学伝習所機関誌等にて創作活動を開始。’98年「ボルバの行方」で新日本文学賞受賞。新日本文学会会員。東京都八王子市在住
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