内容説明
1880年、モスクワのある新聞社に、セルゲイという元予審判事が自作の小説を持ち込む。それは、彼が実際に遭遇した殺人事件を題材とする愛憎劇だった。小説掲載の可否を聞くため、三か月後に編集長を訪ねるセルゲイ。まだ読んでいないと追い返そうとする編集長の前で、彼は勝手に小説を語り始め、真夜中の編集室で虚実入り混じった「狩場の悲劇」が展開する…。妻は夫に殺された、夫に殺されたのは妻…愛憎渦巻く迷宮劇!チェーホフの知られざる小説をベースに、永井愛独自の切り口が展開する極上のエンタテイメント。
著者等紹介
チェーホフ,アントン[チェーホフ,アントン]
1860‐1904 南ロシアの港町に生まれる。モスクワ大学医学部に入学。家計を支えるため在学中より雑誌に百を超える短編小説を寄稿。卒業数年後には作家として広く認められ、戯曲も書き始める。晩年には高名な「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」を発表する
永井愛[ナガイアイ]
1951年東京生まれ。桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒。1981年大石静と劇団二兎社を旗揚げ。1991年より二兎社主宰。第31回紀伊國屋演劇賞個人賞、第1回鶴屋南北戯曲賞、第44回岸田國士戯曲賞、第52回読売文学賞、第1回朝日舞台芸術賞「秋元松代賞」、第65回芸術選奨文部科学大臣賞、第60回毎日芸術賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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