内容説明
あの人は誰にも心の内を見せない。一緒にいればいるほどどういう人だかわからなくなる。大逆事件をめぐり、文豪・森〓外が抱えていた立場の矛盾に焦点をあてる戯曲。2014年初演後、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞
著者等紹介
永井愛[ナガイアイ]
1951年東京生まれ。桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒。1981年大石静と劇団二兎社を旗揚げ。1991年より二兎社主宰。第31回紀伊國屋演劇賞個人賞、第1回鶴屋南北戯曲賞、第44回岸田國士戯曲賞、第52回読売文学賞、第1回朝日舞台芸術賞「秋元松代賞」、第65回芸術選奨文部科学大臣賞、第60回毎日芸術賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sakie
13
戯曲は面白いなあ。心に秘めたものまでが、台詞にほとんど詰め込まれている。主張も迷いも絶望も吐露され、揺れる。この永井荷風が私は大好きだ。身をもって、信念にかけて守ろうとするものが、日本という国家に阻まれ守ることができなかった、落胆、悲嘆。それは現代の私たちがあからさまな政治の逸脱を糾弾することができなかった、改憲勢力の増長を選挙で止めることができなかった、悪政を通した元首相を国葬にするなどという茶番を止めることができない予感、そのたびに味わう挫折感に似ているだろうか。これらは確実に、人の心をくじいてゆく。2022/07/14
Mie
0
なぜこのタイトルなのか、最後まで読んでも分からなかった…。内容は、鷗外に関する疑惑(というか、こうではないか?と言われていること)を元に書かれていて、そうなのか!と思うこともしばしば。昔の家的なモノへの縛り付けがよく分かる2022/03/18
kerosan
0
劇を観た時に、2度寝てしまい、観なかった部分とよくわからなかったセリフを確認するため購入。2022/01/22