内容説明
1940年5月、山代巴・吉宗夫妻は治安維持法違反で検挙され、吉宗は広島刑務所に収監され45年1月に獄死し、巴は三次刑務所に、そして和歌山刑務所に収監され45年8月に病気で仮釈放される。本書では、主にその間に取り交わされた吉宗、巴、巴の父母・姉妹・弟たちとの書簡191通と三次刑務所の二人の女看守によって筆写されたために残された巴の獄中手記などを収録した。そこには、戦争一色の世間と真摯に対峙する人たちの姿勢と相互の交情が清冽に浮上する。時代の岐路に直面する現在の私たちに多くの示唆を与えてくれるだろう。
目次
1 手記(現在の民族意識と国家観念の由来;絵画を専攻するに至った筋途 ほか)
2 書簡(逮捕以前(書簡番号1~7 発信時期 一九三五年~一九三九年)
東京拘置所時代(書簡番号8~85 一九四一年二月~一九四二年八月) ほか)
3 参考(官憲側の認識;仮出獄証票および仮出獄者心得事項 ほか)
4 山代吉宗のこと(A(「磐炭争議以前における運動小史」)について
磐炭争議の余波 ほか)
著者等紹介
牧原憲夫[マキハラノリオ]
1943年、東京都に生まれる。東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。元東京経済大学教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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