内容説明
記号論の世界的第一人者が日常に生起する記号事象を歴史的に分析し、記号概念を深化する手順を説く。
目次
第1章 記号過程
第2章 記号の分類
第3章 構造主義的接近
第4章 記号生産の様式
第5章 記号の哲学的諸問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nekozuki
7
ウンベルト・エーコ著の記号論入門。副題にもある通り、各思想家が定義する記号概念の網羅的分析が主な目的。入門とあるが、ひたすらに哲学者の記号概念が参照され分析していく本のため、かなり難解。入門者が各哲学者の著書にあたり概念の整理を行うことは困難を極めると想像できるので、そう言った点での(当時の)記号論の議論の位置を知るには良い本かもしれない。正直かなり消化不良なので、他書を読んだ後再読してみたい。2022/03/22
roughfractus02
5
カントが見出した名指せないが何かを促す物自体を「力動的対象」と呼んだパースの記号論を情報理論で現代化する本書は、同じカントの精読から「人間は象徴的動物である」との命題を導出したカッシーラーの言葉から始まる。コードとメッセージの関係を無限の記号過程に投げ込む著者は、言葉と意味なる人間中心的記号解釈を、別の何かの代わりにそれを表す働き(機能)とその働きを担うもの(記号)に刷新する。アルゴリズム検索する機械的な記号過程からヒトと言葉を捉え直す本書は、ヒトの口が2語同時に発語不能な点に言葉の線状性の発生を見出す。2019/01/20
nranjen
3
エーコによる記号論入門。よくできた論文だと思う。記号論ブーム過ぎ去った今、これだけ詳細な説明を読み(結構疲れた)それで何?という疑問が…。だが非常によくまとめられている。2018/07/07
さぼ
0
【非所有】投 記号論はしばらく読まなくていいかな。この時点であまり興味には関係ありそうもない。2010/06/09