内容説明
本書を貫くものは、引き裂かれた肉体と魂の叫びだ。もとめ、のたうち、さいなみ、なみだするおんなの「魂の陰核」がぱくりと穴を開け、底無しの生と死の狭間を照らし出す。そして、ことば遊びにほうけた1989年の詩の死を、「おまえは誰だ」と問い詰める。存在の亀烈。痛み。闇。おののく心。彫刻家であり、小説家である草間弥生の存在のコアがここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじみどり
12
アート好きの知人に連れられて展覧会「永遠の永遠の永遠」に行き、そこに展示されていた詩がすごくよかったので本書を購入。近年のものではなく、1975〜89年頃の作品を集めたもので展覧会で受けた浮世離れした印象や流動する静かなエネルギーを思わせる逞しさは感じられなかった。それに代わりひとりの多感な女性である草間弥生が傷をさらし陰鬱な顔で、ときには喚いて、そこにいた。展覧会では音声ガイドの鼻歌のような生の歌声がイヤホンから流れてきたとき、不躾ながらすごくかわいいと思った。2012/03/08
チエコ
4
エンパイアステートビルのやつが良かった。文章だとこういう表現をする人なんだー、と思った。2017/05/23
かっぱ
2
大阪での展覧会「永遠の永遠の永遠」にて購入。派手な水玉の作品群とは対照的に、詩の中では、繊細で傷つき易い精神が現れている。何度も登場する抗鬱剤という言葉や、老いを嘆き死を願うような思いや、自分で自分を傷つけるような言葉が痛々しい。それでも、前衛芸術家としての輝く才能によって紡ぎ出された言葉のひとつひとつに、何度もドキリとさせられた。2012/04/13
takapin
1
鋭い。とげとげ。ぐらぐら不安定。寂しい切ない苦しい汚い。痛い。あたたかい。アツイほどに。興味のある方です。これからもっと読んでいきます。2011/01/15
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- 和書
- バカウケなぞなぞNo.1