内容説明
彼はなぜ戯曲を書いたのか。彼は戯曲に何を込めたのか。そして、三好十郎とは…。時代を、人間を、自分自身を、激しく問い続けた男。その存在の根幹を、その位相を、西村博子が渾身の力を込めて描いた、三好十郎論決定版。
目次
“私”戯曲「浮標」におけるドラマと虚構
「峯の雪」周辺
続・「峯の雪」周辺
「廃墟」覚え書き
「神という名の殺人者」小論
「橋の下」掌論
1923年の演劇青年たち
ものを書くということの弁証法
百姓仙太はいま蘇る、か?
「斬られの仙太」掌論
喪失への想い、「妻恋行」
時の流れ
三好十郎の実存・生と死と
三好十郎の“おりきもの”
三好十郎と「胎内」
三好十郎、実存への出発
三好十郎の営為
JM館の1週間
シンポジウム「三好十郎をめぐって」