内容説明
壮大な迷宮を包蔵するメタ小説ウンベルト・エコの「バラの名前」に踏み入るための“アリアードネの糸”。
目次
1章 小説の構造
2章 舞台
3章 人物たち
4章 各種小説の合一―小説類型を求めて
5章 文学上の手本
6章 歴史的背景―総まくり(アルファベット順)
読者からの示唆
付録(ウンベルト・エコ略歴―エコの邦訳文庫;映画に寄せて―最初にして最後の言明〈U・エコ〉;映画『薔薇の名前』;落ち穂拾い〈U・シック〉 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kasim
33
構造、舞台、人物、ジャンル、間テクスト性ときて、最後に簡単な人名・事項事典までついたすっきりした構成。普遍論争は読むほどに面白く、オッカムのウィリアムの唯名論は本当に記号論の先取りのようだし、中世後期とルネサンスが断絶ではなく地続きだと感じる。スコラ哲学の大物たちの仇名がかっこよく、アクィナスの天使的博士は聞いたことがあるが、ベルナールの甘蜜博士というのも楽しい。食堂の上に図書館、というのは本編で少し引っかかったのですが、やはり本来は無理な設定のようです。2019/04/11
FK
6
小説を読んでからも、一連の関係書籍を読んでいる。これもその一冊。これもまた神学関係はよく分からないが、それにはこだわらず読んでいった。宗教のことは、最終的には信仰しないと分からないものだと思う。部外者には永遠に謎なのだ。それでも異端については同意しかねる。/異端とは、キリスト教信仰の教義(ドグマ)に反対する謬説、異分子的な考え方のこと」「異端を弾圧する義務を、教会は国家に負わせ」、さらに「一般信徒は聖書を読むことを禁止され、誰でも俗語による聖書の翻訳を所有している者は、異端者と見なされた」(P.224)。2019/06/01
顔人
1
巻末の歴史的背景を項目別にまとめてあるところが便利。あとがきを見るに薔薇の名前の邦訳が出る前に出版されたようでかなり勇気のあることである。しかも原著はイタリア語ですらないのもなかなか面白いところ。2023/11/23




